経営理念が評価制度に反映されていないと、社員の納得感は得られません。本記事では、理念なき制度が組織にもたらす“ズレ”と、制度設計で意識すべき3つのポイントを事例とともに紹介します。
キーワード:評価制度 経営理念 不信感 組織改革 中小企業
評価制度が「逆効果」になるのは、どんなとき?
「評価制度を導入したのに、むしろ離職が増えた…」
「社員が“何を頑張ればいいのか”分からないと言い出した…」
制度の導入は“組織を良くする一手”のはず。
にもかかわらず、現場で不信感やモチベーション低下を招くケースが後を絶ちません。
その多くは、評価制度に**「経営理念との一貫性」が欠けている**ことが原因です。
「理念なき評価制度」が起こす3つの“ズレ”
ズレ | 現場の声 | 企業への影響 |
---|---|---|
何を評価されるかが不明確 | 「上司の主観で決まるのでは?」 | 評価への不信感/努力が無駄に感じられる |
理念と評価項目が乖離 | 「理念では“誠実”って言ってるのに、結果しか見てないよね」 | 行動と報酬が一致せず、理念が形骸化 |
運用が属人化している | 「評価面談が人によってバラバラ」 | 組織としての“判断基準”が曖昧になる |
理念と制度をつなぐ「3つの視点」
① 理念を“評価基準の軸”として明文化する
理念に沿った行動を、評価項目に明記する。抽象的な理念を“日常の行動”に変換し、組織の価値観と制度を一致させます。
例:
- 理念:信頼を大切にする
→ 評価項目:「納期遵守率」「報連相の頻度」「チーム協働姿勢」
② 上司に「評価の意図」を共有・訓練する
上司が制度の“設計思想”を理解していなければ、現場に正しく伝わりません。理念を軸とした面談方法・観察ポイントを共有することで、主観評価を排除できます。
おすすめ:
- 評価者向けの理念・制度研修
- 評価前の“設計意図すり合わせ会議”
③ “成果×理念”でバランスの取れた制度設計に
数字だけでなく、組織文化に沿った行動も評価対象にする「二軸設計」が重要です。
評価構成例:
- 成果(60%)+行動(40%)
- 成果(定量)+理念(定性)
【導入事例】理念と制度を連動し、離職率を改善したC社
▶ C社(建設業・社員40名)
背景:
数字評価中心の制度で、理念「安心・安全を届ける」が現場で軽視され、事故対応ミスや若手の離職が増加。
取り組み:
- 理念をベースにした行動指針を5つ設定
- 行動評価を制度に反映し、報酬と連動
- 評価者への“フィードバック面談研修”を実施
成果:
若手離職率が前年比-40%改善
安全行動に対する表彰制度も追加され、理念が現場に定着
まとめ|制度設計に“理念”という芯があるか?
よくある制度トラブル | 解決のアプローチ |
---|---|
評価基準が不透明 | 理念から行動指針を設定する |
上司によって評価がバラつく | 評価者研修と定義共有 |
理念が制度に反映されていない | 評価制度に理念行動を組み込む |
制度は“ルール”ではなく“組織の価値観を形にする道具”です。
理念なき制度は不信感を生み、理念を制度に落とし込めば、組織は変わります。
Bay3の制度設計支援とは?
- ✔ 経営理念と連動した評価制度の再設計
- ✔ 評価項目設計~報酬・昇進連動までの構築支援
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次回予告|3月29日(土)
▶「“理念に共感して入社した”社員が辞めていく理由とは?」