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しまむら、中期経営計画でROE9%以上を目指す──PB強化と出店戦略の今

「しまむら」5年連続で最高益へ──ROE目標引き上げに見る“収益構造進化”の中計戦略

アパレル業界において、異彩を放つ存在となっている「しまむら」。
2025年3月31日に発表された2026年2月期の見通しでは、5年連続で過去最高益となる見込み。さらに、2027年2月期までの中期経営計画では、自己資本利益率(ROE)目標を9%以上へと引き上げるなど、着実な収益性向上を図っています。


■ “安さのしまむら”は、どこへ向かうのか?

かつて「郊外型・低価格ファッション」で成長してきたしまむら。
しかし現在は、高価格帯のPB(プライベートブランド)やJB(共同開発ブランド)を強化し、商品単価を上げる戦略に舵を切っています。

具体的には:

  • PB「クロッシープレミアム」やJB「シーズンリーズン」などを拡充
  • インフルエンサーとのコラボ商品投入で“ファン層”を形成
  • SNS運用で広告費を抑えつつ、デジタル接点を最大化

これらの取り組みにより、「客数×単価」の両軸で売上を支え、
結果として営業利益率8.8%(前期比横ばい)を維持しています。


■ 中期計画の“成長指標”が示す意志

今回、しまむらが中計で特に注力している数値目標は以下の通り:

  • ROE:9%以上(前回目標は8%)
  • 配当性向の見直しによる株主還元強化
  • 店舗数拡大:国内を中心に2284店舗へ(+1%)
  • 連結純利益:428億円(+2%)

社長自らが「利益で到達できなければ、配当性向の見直しで達成を目指す」と語るなど、
「資本効率を意識した経営」の色が一層濃くなってきています。


■ Bay3の視点:収益構造を見直す中計こそ“進化型”

しまむらの中計は、「新しいことを増やす」よりも、
既存の強みを収益性という軸で再設計した中計と言えます。

Bay3では、中期経営計画を支援する際、以下のような視点を大切にしています。


【Bay3式:進化型中期経営計画の3つの問い】

  1. 収益構造はこの3年でどう変わるべきか?
  2. 単価・客数・粗利率、どこで勝負するか?
  3. 数字だけでなく“再現可能な仕組み”で現場を変えられるか?

しまむらの戦略は、このすべてに的確に応えている好例です。


■ 最後に:今、企業が見直すべきは「利益の質」

“成長”とは、売上を増やすことだけではありません。
利益の質を高め、資本の使い方を変えること。

それが、これからの中期経営計画に求められる視点です。

しまむらは、「価格」ではなく「価値」で選ばれるブランドへと、
静かに、しかし着実にシフトしています。


Bay3では、
「利益を増やす仕組み」を描ける中期経営計画の策定をサポートしています。
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所要時間:30〜45分(オンライン対応OK)


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