「うち、ルールってあったっけ?」
そんな曖昧な状態のまま、日々の業務を進めていませんか?
中小企業やベンチャー企業では、「なんとなくの空気」で判断が行われる場面が少なくありません。けれど、その“空気”に頼った組織運営こそが、トラブルやモチベーション低下の温床になっているのです。
社員の成長が止まる。判断が人によってブレる。責任の所在が曖昧になる──。
その多くの原因は、「会社のルール」がしっかり言語化されていないことにあります。
この記事では、以下のポイントを中心に、「会社のルールはなぜ大切か?」を深掘りします。
- ルールがない会社で起きる具体的なリスク
- ルールは“縛る”ためではなく“促す”ためのもの
- 納得感を持って運用されるルールのつくり方
「社員が迷わない組織」をつくりたい経営者や人事責任者に向けて、Bay3株式会社が現場支援で培ったノウハウも交えながらお届けします。
読み終わる頃には、「ウチに必要なルールってこれだな」と見えてくるはずです。
なぜ「会社のルール」は大切なのか?
会社にルールがあるのは当たり前…のようで、実はあいまいなまま放置されている企業も少なくありません。
特に従業員数が10〜50名程度のベンチャー・中小企業では、「空気感」や「経験値」に頼った判断が常態化しているケースが多く見られます。
でも、あいまいな社内ルールは、組織の混乱を招きやすい“落とし穴”。
なぜルールが必要なのか、現場でどんな変化を生むのかを明確にすることが、社員の迷いをなくす第一歩です。
ルールが曖昧だと現場はどうなる?
社内ルールが整っていないと、何が起こるのか?
正直、毎日の業務ではすぐに問題が表面化するとは限りません。
けれど、ジワジワと組織に“ほころび”が出始めます。
- 判断が人によってバラバラになる
- 「これって誰がやるの?」という責任の押し付け合いが起きる
- ベテラン社員のやり方が基準になり、新人が育たない
- 上司ごとに指導の温度差があり、不満が蓄積する
- 社員が「なんとなくやってます」と言いがちになる
こうした状態では、組織の基盤がぐらつきます。
属人化が進み、ミスやトラブルが起きても責任が曖昧。
それなのに誰も「なぜ起きたのか」を説明できない。
つまり、ルールがない=組織に再現性がないということ。
人が辞めやすく、成果も偶然に左右される不安定な組織になってしまいます。
属人化の課題を解決し、組織の成果を最大化する具体的な方法は、こちらで解説しています。
「決めておく」ことで何が変わるのか?
逆に、「あらかじめ決めておく」だけで、組織は大きく変わります。
- 迷ったときの判断基準が明確になる
- 上司と部下のコミュニケーションがスムーズになる
- 新人教育の時間と労力が減る
- 同じクオリティで業務が回るようになる
- トラブルやミスの防止につながる
ルールがあると、従業員は「自分の行動に自信が持てる」ようになります。
それは精神的な安定につながり、結果的に生産性の向上や組織全体の成長スピードも上がる。
ルールは、社員を縛るためではなく“動かすための道しるべ”。
整備されたルールがあるからこそ、現場は迷わず前に進めるのです。
「ルールがない会社」で起きがちなトラブルとは?

「うちはまだ小規模だから、ルールをつくるのは後回しでいい」
そう思っていませんか?
でも実際には、ルールが無い(または形骸化している)ことこそが、日々の業務を止めてしまう最大のボトルネックです。
とくに中小企業では、ちょっとした“グレーな判断”が放置されがち。結果として、組織の信頼や社員の納得感がじわじわ崩れていきます。
中小企業でよくある5つの問題
社内ルールが整備されていない会社では、次のようなトラブルが頻出します。
- 行動基準があいまいで、社員が“正解”を持てない
→ 同じ状況でも人によって判断がバラバラになり、現場が混乱する - マネージャーの指導が属人的になる
→ 人によって教え方が違い、育成のスピードと質に差が出る - クレーム対応にばらつきがある
→ 顧客からの不信感につながり、ブランドイメージが損なわれる - 新人教育に一貫性がなく、習得にムラが出る
→ 「誰に聞けばいいか分からない」状態が常態化し、離職リスクが高まる - 評価・給与の根拠が不明瞭で、納得感が生まれない
→ 「結局えこひいきじゃない?」という声が広がり、社内のモチベーションが低下
こうした問題はすべて、「ルールが明文化されていない」ことに起因します。
従業員数が少ないうちはなんとか回っていても、人数が増えると確実にほころびが表面化します。
実際にあった「ルールなし」の失敗例
Bay3が支援したある企業でも、ルール不在が業務トラブルを引き起こしていたケースがありました。
その会社では、営業マニュアルや業務フローが未整備のまま属人的に業務が回っていました。
ある日、顧客から同じ件について3人の営業が異なる回答をしてしまい、「どれが本当なの?」と大きなクレームに発展。
結果として、
- 担当者間で責任の押し付け合いが発生
- 上司の判断で謝罪方針が変更される
- 顧客との関係が悪化し、取引停止に
この出来事をきっかけに、Bay3はルールの作成から伴走支援を開始。
営業マニュアルの作成、対応フローの明文化、行動ルールの統一までを支援し、「迷わず動ける組織」に再構築することができました。
「迷わず動ける組織、ルール化ステップガイド」を無料で公開中!
業務棚卸のやり方から、ルール化・教育設計のポイントまで、
現場で実践できるチェックリスト付きでご提供します。

人事評価制度の導入を検討している場合は、こちらの記事もご一読ください。
ルールは“行動を縛る”のではなく“促す”ためにある
「ルールなんて、がんじがらめにするものだろう」
そんなイメージを持っている経営者やマネージャーは意外と多いかもしれません。
でも実際はその逆。ルールがあるからこそ、社員は“自由に”“自律的に”動けるようになります。
組織におけるルールとは、社員の可能性を引き出し、行動の精度を高めるための仕組みです。
ルールと自律性は矛盾しない
「社員には自分で考えて動いてほしい。でもルールで細かく決めたら、自主性が失われるのでは?」
そう感じるのはもっともです。
でも、ルールは“縛るもの”ではなく“支えるもの”。
むしろルールがあるからこそ、社員は「これで合ってる」と判断でき、自信を持って動けるようになります。
- 明確なルールがあると、判断に迷わずスピードが上がる
- 「何をすべきか」が明文化されていることで行動の質が安定する
- 自分の役割が見えると、周囲と連携しやすくなる
つまり、ルール=思考停止ではなく、行動の起点。
組織にとってのルールは、社員が“迷わず挑戦できる環境”を整える土台なのです。
「行動指針」「価値観」「ルール」の違い
「社内の方針として、“大切にしたいこと”は決まってるよ」
そんな企業でも、実は「行動指針」「価値観」「ルール」の線引きが曖昧なことがあります。
ここでは、それぞれの役割と違いを整理します。
行動指針とは?(例:日常の判断基準)
行動指針は、日々の業務や意思決定の“基準”になるものです。
例えば「顧客視点で考える」「スピードより正確さを優先する」など。
社員が迷ったとき、「うちの行動指針に照らせば、こう動くべきだな」と判断できるのが理想です。
価値観(バリュー)との関係性
価値観(バリュー)は、会社として大切にしたい“想い”や“文化”を言語化したものです。
行動指針やルールの“根っこ”となる存在であり、組織の色を決めます。
たとえばBay3では、「一人ひとりの経験を活かす」「信頼と共創を大切にする」などがそれに当たります。
ルールは“最低限の土台”
ルールは、価値観や指針とは違い、組織全体に共通する“最低限の約束事”です。
これがないと、個人の価値観だけで物事が判断され、組織としての一貫性が保てません。
- 勤怠や報連相のタイミング
- トラブル対応の基本フロー
- 情報の取り扱いルール など
ルールは社員全員が“同じ土俵で仕事をする”ために不可欠な要素。
自由に挑戦するためにも、「土台」としてのルールは必須なのです。
社員が納得し、現場に定着する「社内ルール」のつくり方

「せっかくルールを作っても、誰も見てないし守られていない…」
そんな経験はありませんか?
社内ルールの策定には「作ること」と「定着させること」の両輪が必要です。
そしてその両方を押さえるには、策定プロセスから現場巻き込みを意識することがカギ。
ここでは、Bay3が実際に現場で支援している方法をベースに、社内ルールを“納得感を持って定着させる”ためのステップをご紹介します。
ルール策定の基本ステップ
「なんとなく」「とりあえず作った」ルールでは、社員の共感も実行力も生まれません。
ルールは現場のリアルな声と経営の視点を掛け合わせて策定することで、はじめて機能し始めます。
現状把握と課題抽出
最初にやるべきことは、「そもそも、今なにが問題なのか?」を整理することです。
- 業務の属人化が進んでいないか
- 評価や対応にバラつきがないか
- ルールはあるけど浸透していない状態になっていないか
現場のヒアリングや業務観察から“ルールの穴”を見える化することで、意味のあるルール設計がスタートします。
草案作成と関係者巻き込み
ルールは経営陣だけで決めても定着しません。
現場のマネージャーやキーマンを巻き込みながら、たたき台を作成するのがポイントです。
- 業務で実際に起こっているケースを想定する
- 現場の“ちょうどいい線引き”を見極める
- 曖昧な表現を避け、誰でも理解できる文言にする
関係者を巻き込むことで、「決められたルール」から「自分たちで作ったルール」に変わります。
承認フローと制度化
草案ができたら、承認プロセスと社内制度との整合性を確認します。
- 評価制度・就業規則とのズレがないか
- 上層部の合意をどう取るか
- 説明会や社内発表のタイミングをどう設計するか
ここで「形式だけで通す」流れにすると、現場は一気に冷めるので要注意です。
浸透・運用・見直しのループ設計
作っただけでは終わりません。
むしろ本番はここから。定期的な運用と見直しがルール定着の決め手になります。
- 朝礼や1on1で日常的にルールを確認する
- 現場で「守りづらい」と感じた部分はすぐ改善する
- 年に1回はアップデート機会を設ける
ルールは“完成品”ではなく、“育てていくもの”。
組織の変化に合わせて常にアップデートできる設計にしましょう。
Bay3では無料の個別相談会を実施しています。
実際の支援事例をもとに、御社の状況に合わせてアドバイス可能です。
ルールを現場に浸透させる工夫
「ちゃんと作ったのに、結局みんな守ってない…」
それは、運用方法にひと工夫が足りていないのかもしれません。
ルールの“見せ方”や“伝え方”を工夫することで、現場への浸透度は大きく変わります。
ルールを“見える化”する方法(掲示・共有ツール等)
「見る気がなくても自然と目に入る」状態が理想です。
会議や朝礼での定期リマインド
- 毎週のMTGで1項目ずつ読み合わせ
- 朝礼で「今週の行動ルール」紹介
- チームごとのルール理解度チェックを実施
“仕組み化された反復”が、自然な定着につながります。
評価制度や研修とセットで設計
ルール単体ではなく、評価制度や研修との連動が重要です。
- 行動指針の実践度を評価項目に組み込む
- ルール研修をオンボーディングに必須化する
- 昇格条件に「ルール運用能力」を含める
これにより、ルールが“守るための義務”から“成長につながる武器”に変わります。
Bay3の支援事例(仮)
Bay3が支援したある成長中のベンチャー企業では、
営業とバックオフィスの間で対応ルールが曖昧な状態が続いていました。
「誰が・いつ・何を対応するか」が不明確で、業務が頻繁に滞る状態に。
そこで以下のステップを実施:
- 現場ヒアリングでトラブル頻出業務を特定
- 業務フローと判断基準をルール化
- 各部署に“タスクごとの役割定義書”を共有
- ルール周知を朝礼・月例MTGで徹底
- 評価制度にもルール遵守項目を反映
結果として、部署間の摩擦が激減し、対応スピードも約1.5倍に向上。
「うちの仕事のやり方が言語化されたのは初めて」という声もありました。
会社の未来を支える「ルール」と「文化」の違いとは?
「うちにはルールはないけど、文化があるから大丈夫」
そう語る経営者に、数多く出会ってきました。
でも実際は、その“文化”が社員全員に伝わっていないことも珍しくありません。
ルールと文化は、組織運営の両輪です。
片方に依存しすぎると、成長とともに組織はブレ始めます。
このパートでは、ルールと文化の違いを整理したうえで、それらをどうつなげていくべきかを解説します。
「ルール」と「文化」の定義の違い

まずは基本から。
「ルールと文化はどう違うのか?」をはっきりさせましょう。
文化=空気/ルール=言語化された約束
組織文化とは、日々の行動や判断ににじみ出る“空気感”です。
たとえば、
- お客様対応で「早さ」を大切にする空気がある
- 上司に逆らわないことが“暗黙のマナー”になっている
- 「とりあえずやってみる」が当たり前の雰囲気になっている
これは良くも悪くも、社員の行動に影響を与える“目に見えない基準”です。
一方、社内ルールとは、組織として「こうする」と明文化した約束ごとです。
文化は自然発生的なもの、ルールは意図的に策定するもの。
この違いを理解することが、組織デザインの第一歩です。
「暗黙の了解」を放置すると属人化する理由
文化だけで組織を回すと、「察して文化」「経験頼み」「俺ルール」が蔓延します。
- 属人化した対応で、社員によって判断がブレる
- 経験年数が浅い社員が何を基準に動けばよいか分からない
- マネジメントの質が個人の感覚に依存する
この状態では、人が変わるたびに組織のルールが変わってしまう。
「なんとなく」では継続的に育成も評価もできません。
だからこそ、“文化に頼りすぎず、ルールで補完する”視点が欠かせないのです。
文化を補完するルールの設計法
「文化があるから、ルールはいらない」ではなく、
文化を定着・再現するためにこそルールが必要なのです。
では、どんな設計が望ましいのか?
Bay3では、以下のような観点で社内ルールを組み立てています。
- バリューや企業理念に基づいた行動を“具体化”する
→ 例:「誠実さを大切にする」→「報連相は当日中に行う」など - 評価制度と連動させて、ルールの実行度を可視化する
→ 行動評価に「ルール遵守」「行動指針との一致」などを盛り込む - カルチャー浸透のための“翻訳装置”としてルールを設計
→ 雰囲気だけで伝えていた組織の考え方を明文化する
つまり、文化を残すために、ルールが必要になる瞬間があるのです。
成長し、メンバーが増え、外部採用が加速するほどに、
「ウチらしさをどう保つか?」という問いにルールが応えてくれるようになります。
組織全体を最適化する組織の設計については、こちらの記事でさらに理解を深めることができます。
まとめ|“迷わない組織”をつくる第一歩はルールから

組織図は単なる“人の配置図”ではありません。
組織の意思決定・業務の流れ・人材の責任範囲を見える化する、いわば企業の“設計図”です。
経営・人事・現場がバラバラの地図を見ていたら、当然うまくいきません。
だからこそ、「誰が何をするか」が一目で伝わる組織図を、チーム全体の共通言語として整えることが重要です。
本記事の振り返り|ルールが「行動を変える」仕組みになる
まず、PREP法で要点を整理しましょう。PREP法とは、伝えたいことを論理的に伝えるフレームワークです:
- P(Point):結論
- R(Reason):理由
- E(Example):具体例
- P(Point):再主張(まとめ)
この流れで、本記事のポイントを振り返ります。
✅Point(結論):会社にルールは絶対に必要です
「うちは少人数だから不要」ではなく、小さい組織こそルールが重要。社員が迷わず動ける土台になるからです。
✅Reason(理由):ルールがなければ、判断・教育・評価がバラバラに
ルールが曖昧だと、
- 上司ごとに指導が違う
- 新人教育の質がばらつく
- 社員が指示待ちになり、自律的に動けない
- クレーム時に責任転嫁が起こる
こうした状態では、組織の成長が止まってしまいます。
✅Example(具体例):現場で実際に起きた課題
Bay3が支援したある企業では、営業ルールが未整備で、顧客対応が属人化しトラブルが多発していました。そこで行動基準や対応フローを明文化したところ、社員の迷いが減り、顧客満足度も向上しました。
✅Point(再主張):ルールは「縛るもの」ではなく「支えるもの」
ルールは経営の制約ではなく、“行動の指針”として自律を促すツールです。文化や価値観とセットで設計すれば、社員の納得感ある運用が可能になります。
Bay3の支援を活用するメリット|「つくって終わり」じゃないから定着する
Bay3では、ただルールを“つくる”だけでなく、現場で“使える”状態にすることに徹底的にこだわります。
✔️ 実行支援型の伴走スタイル
- 経営者・マネージャーとの壁打ち
- 現場インタビューから課題抽出
- 社員向け説明資料や研修設計まで一括対応
- Slackや朝礼でのリマインド運用まで支援
✔️ 属人化を防ぐ“仕組み化”の設計
- 評価制度や行動指針との連動
- 掲示・共有ツールを活用したルールの「見える化」
- 定期的な見直しを組み込んだ運用フローも構築可能
✔️ 小さく始めて、大きく育てる
- 3ヶ月のスモールスタートプランあり
- 少人数組織でも運用可能な軽量ルール設計
- コストを抑えつつ、本質的な成果を重視
無料相談を実施中|まずは「何から始めるか」を一緒に考えましょう
「うちもそろそろ仕組みを整えたいけど、どこから手をつければ…?」
「社員が納得するルールづくりって、どう設計すればいいの?」
そんな方のために、Bay3では無料の個別相談会を実施しています。
実際の支援事例をもとに、御社の状況に合わせてアドバイス可能です。