• 投稿カテゴリー:ブログ
You are currently viewing 中期経営計画 事例⑤|家業から“組織経営”へ進化【中長期経営計画実行支援/経営計画書/離職率低下/AIによる業務改善/リーダー育成/人材確保】
「世代交代から組織で回る会社へ」──老舗製造業が描く、未来志向の経営計画。

親から会社は継いだ。でも、経営はまだ“親のまま”だった─家業から“組織経営”へ進化した中期計画の力


導入:「社長交代は済んだ。でも経営の中身は変わらなかった」

今回ご紹介するのは、創業60年を超える老舗製造業C社の事例です。
数年前に2代目社長へと交代は行われたものの、実際の経営には“先代の影”が色濃く残っていました。

たとえば――

  • 社内の意思決定は「先代に確認」が定番
  • ビジョンがなく、“目の前の仕事”に追われる日々
  • 社員も「どう変わるのかわからない」という不安を抱えたまま

そこで、2代目社長が踏み切ったのが「中期経営計画」の導入でした。


中期経営計画が「リーダーシップの再定義」につながった

2代目社長がまず伝えたのは、「これからのC社は、社長一人ではなく社員みんなでつくっていきたい」というメッセージです。作成された3ヵ年ビジョンには、以下のようなゴールが盛り込まれていました。

  • “先代の背中”ではなく、“数字と役割”で判断できる会社にする
  • 年間売上 8億円 → 10億円
  • 若手リーダー3名を育成・登用
  • 社内評価制度の再設計と運用開始

つまり、これまで曖昧だった“経営のかたち”を、組織全体で見えるようにしたのです。


「社長だけが考える」から「幹部でつくる」計画へ

これまでC社では、「経営=社長が全部決める」が当たり前でした。
しかし、今回は違いました。

  • 幹部メンバー全員が「未来の理想像」から逆算して計画を設計
  • 各部署に応じたKPIと行動目標を明文化
  • 実行責任も、社長ではなく“現場の幹部”が握る体制へシフト

その結果、経営が「個人からチーム」へと自然に移行していったのです。


KPIの設計と、現場での具体的実行

項目現状3年後目標実施内容
売上高8億円10億円提案営業強化、新規チャネル開拓
幹部会開催頻度月1回(不定期)月2回(定例化)アジェンダ明確化・議事録共有
若手リーダー登用1名3名キャリアパス再設計、育成制度導入

このように、数字だけでなく「動きやすい行動計画」に落とし込んだのがポイントです。


半年後に生まれた変化:「決められる人」が増えた

中期経営計画を導入してから半年。
社内には「○○さんに聞けばいい」と言われる“判断力のあるリーダー”が育ち始めました。

ある社員はこう話します。

「これまでは“社長が決める”が普通でした。でも今は、自分たちも“考えて動く”チームに変わってきたと思います。」

つまり、中期計画は“計画のための計画”ではなく、“自律型組織へのスイッチ”になったのです。


中期経営計画は、“引き継ぐ”のではなく“共に創る”ためのツール

中期経営計画は、ただの数字目標ではありません。
とくに老舗企業や家業では、「経営のかたち」そのものを問い直す機会になります。

  • どんな未来を描くのか
  • 誰と、どうやって進めていくのか

この対話を“社長ひとり”ではなく、“組織全体”で始めることこそが、次世代経営の第一歩になるのです。


まとめ:事業承継は“肩書きの継承”ではなく“経営の進化”である

事業承継とは、単に社長交代をすることではありません。
「経営の責任とリーダーシップ」を、組織全体で共有していくプロセスです。

C社のように、中期経営計画を“共通言語”にすることで、
組織の“意思決定の仕組み”そのものが進化していきます。


ご相談はこちらから

もし貴社でも、

  • 社長交代はしたが、現場がついてきていない
  • 経営が属人的で、「誰も決められない」状態が続いている
  • 組織全体で未来を共有する仕組みがほしい

といった課題をお感じでしたら、まずは一度お話をお聞かせください。
匿名でのご相談も可能です。