この記事は、2025年4月8日の日経新聞を基に作成しました。
― 飲食・医療・建設業が賞与増加を牽引(厚労省調査/2024年)
今回のポイント
- 2024年冬の賞与、平均41.3万円(前年比+2.5%)
- 支給率は77.8%、2001年以来の水準に
- 人手不足業界での賞与増が目立つ一方、先行きには懸念も
賞与支給は回復傾向、企業の姿勢も変化
まず注目すべきは、厚労省が2024年2月7日に発表した調査結果です。
これによると、賞与を支給した事業所における平均額は41万3,277円(+2.5%)。
この数字は、リーマンショック前の2008年以来、実に16年ぶりの高水準となりました。
さらに、**支給した事業所の割合も77.8%**と、前年より8.8ポイントも上昇。
とりわけ、30人以上の企業では92.6%が賞与を支給しており、雇用環境の改善が鮮明です。
“人手不足業界”が賞与増の波を引っ張る
次に、業種別のデータを見てみましょう。
特に目立ったのは、人手不足が深刻な業界です。
業種 | 賞与増加率(前年比) |
---|---|
飲食サービス業 | +12.1% |
生活関連サービス業 | +9.4% |
医療・福祉 | +8.8% |
建設業 | +8.0% |
製造業 | +5.6% |
このように、人材確保や定着を目的とした賞与引き上げが、戦略的に行われていることがわかります。
賞与額トップは「電気・ガス業」、支給額は94万円超
支給額でトップとなったのは、電気・ガス業の94万3,474円(前年比+13.5%)。
なぜなら、値上げと燃料価格の下落により収益が改善されたからです。
今後の見通しには“逆風”も
一方で、先行きに不安の声もあります。
たとえば、ニッセイ基礎研究所・斎藤太郎氏は次のように指摘します。
「企業業績の伸びが鈍化しているため、2025年は賞与が減少に転じる可能性もある」
加えて、トランプ前大統領による「相互関税構想」など、外的要因の影響も無視できません。
Bay3の視点|「支給するだけ」ではなく“戦略設計”が必要
賞与を「一時的な支給イベント」と捉えるか、
それとも「人材戦略の一環」と捉えるかで、企業の成長スピードは大きく異なります。
したがって、Bay3では賞与制度を中長期的な経営戦略の中に組み込むご支援をしています。
プログラム | 内容 | 対象 |
---|---|---|
賞与制度診断 | 支給水準や業績連動制の妥当性を診断 | 5名〜50名規模の企業 |
評価との連動支援 | 評価制度と賞与の連携を設計 | 成長企業・第二創業期 |
採用活用支援 | 賞与を採用PRへ活かすコピー設計 | 飲食・福祉・建設業界向け |
まとめ|ボーナスにも「経営の意図」が必要です
- 賞与増=人材投資の“見える化”
- 中小企業ほど、“賞与を武器化”する設計力が必要
- 外的リスクに備えた制度見直しが、今こそ求められています