はじめに
中期経営計画(中計)を策定しても、「現場が動かない」と悩む企業は少なくありません。
その原因の多くは、人事制度と中計が“つながっていない”ことにあります。
つまり、「何をするか(戦略)」と「どう評価されるか(制度)」がバラバラ。
この状態では、社員が迷い、組織が動かなくなるのも当然です。
そこで今回は、“評価と役割”の設計から中計を動かす方法をご紹介します。
評価制度と中計が“連動していない”と何が起こるか?
たとえば、こんなズレが現場に混乱をもたらします:
- 中計では「顧客満足度向上」と掲げているのに、実際の評価は「売上額」のみ。
- 管理職に「イノベーション推進」を求めているのに、評価は「前年度比の数値」だけで判断。
- 若手に「提案型営業」を期待しているが、表彰基準は「訪問件数」中心。
このように、期待と評価がズレると、社員は“どこを頑張ればいいのか”が分からず、行動が止まります。
さらに、「頑張っても評価されない」と感じることは、モチベーション低下や離職の原因にもつながりかねません。
解決策:3つの“連動ポイント”
では、どのように評価制度と中期経営計画をつなげればよいのでしょうか。
以下の3つの視点を持つことで、ズレを最小限に抑えることが可能になります。
① KPIと人事評価をセットで設計する
まず重要なのは、中計で定めたKPIを、評価項目にも反映することです。
たとえば、CS向上が目標であれば「NPS」や「リピート率」を評価に組み込む。
これにより、行動が“目的のための手段”になる構造が生まれます。
② 「役割設計シート」で期待成果を明文化
役職や職種ごとに、「何を期待されているか」「どう動くべきか」を明確にします。
抽象的な指示ではなく、“行動指針+成果イメージ”までセットで示すのがポイントです。
③ 1on1面談で中計との関係性を会話化
さらに、管理職との1on1の中で「今の仕事は中計とどうつながっているか?」を日常的に話せると理想です。
“上からの指示”ではなく、“自分ごと化された戦略”へと変化します。
まとめ
- 評価制度は、中期経営計画を“動かすための装置”です。
- もし中計と評価制度・役割がズレていれば、社員は動かず、戦略も形骸化します。
- そのため、KPI設計・役割明確化・1on1などの仕組みが、戦略実行の土台になるのです。
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