この記事は、2025年3月23日の日経新聞を基に作成しました。
小中学校の教科書が過去20年で大幅に増ページされていることが報じられました。
教科書のページ数が20年で最大「3倍」に
- 小学校の教科書:2002年度比で約2.7倍
- 中学校:約1.8倍に増加
その背景には、「脱ゆとり教育」や「アクティブラーニングの推進」といった“知識と思考力の両立”を掲げた改革の影響があります。
主体性育成の“逆効果”? 教員の負担と「余白」の欠如
一方、現場の教員からはこんな声が上がっています。
「内容が多すぎて教えきれない」
「発展的な学習は時間がなく、飛ばさざるを得ない」
授業準備にかける時間の確保も難しくなっており、思考する“余白”が奪われている現実があります。さらに、非授業業務も増え、教員の負担は年々増加しています。
ある教育関係者は次のように指摘します。
「自分で考える時間がなければ、学ぶ意味を見失ってしまう」
日本の若者は「挑戦への自信」が世界最低水準
2023年度こども家庭庁の調査によると、日本の若者は**“主体性”に関するスコアが主要国で最下位**という結果でした。
たとえば:
- 「うまくいくかわからないことにも挑戦できる」:米国や欧州の半分以下
- 「自分の考えを伝えられる」:大きく下回る結果
これらは教育だけでなく、社会全体における“挑戦文化”の未成熟を示唆しています。
シンガポールの先進事例:「Teach Less, Learn More」
転じて、教育先進国のひとつであるシンガポールでは、2005年より「Teach Less, Learn More(少なく教えて深く学ぶ)」という教育方針を導入しています。
この政策のポイントは以下の通りです。
- 暗記型の学習から脱却し、自ら考える授業構成に転換
- 教員の裁量権を増やし、子どもの関心に応じた指導を推進
- 教える内容の“引き算”により、質の高い学びを重視
結果として、OECDのPISAでも高い成績を維持し続けています。
教育専門家の提言:「教えすぎが“考える力”を奪う」
ベネッセ教育総研・木村治生氏は次のように語っています。
「探究や思考の余白がなければ、主体性は育たない」
「全部を教えるのではなく、“何を教えないか”の判断が重要」
このように、いま私たちは“詰め込み”の教育から“自律した学習者”を育てる視点への転換を迫られているのです。
まとめ|詰め込みよりも「考える余白」を
現状の課題 | 必要な視点の転換 |
---|---|
教科書が3倍に増加 | 教員の裁量と余白を尊重する設計へ |
主体性スコアは世界最低 | 学びの意味を問い直す教育へ |
現場にゆとりなし | 教育制度・内容の“引き算”が鍵 |
組織にも通じる「主体性」の重要性
この“主体性の欠如”は、実は教育だけでなく、企業の人材育成にも深く関係しています。
例えば、
- 社会に出た若者が「言われたことしかできない」と評価される
- 挑戦意識や自律性の低さが、組織の変化への対応力を阻む
その背景には、「なぜやるのか」「何のために働くのか」を深掘りする機会の欠如があります。
Bay3が提供する、主体性を育てる組織支援
私たちBay3では、社員一人ひとりが自ら考え動く仕組みを以下の形で支援しています。
評価制度と理念の連動:行動と動機づけをつなげる
リーダー育成支援:部下の考える力を引き出すマネジメント強化
行動ベースの目標設計:挑戦と学びを支援する設計
主体性が、学びも組織も変えていく
- 主体的な学びが、未来の人材を育てる。
- 主体的な働きが、組織を進化させる。
“全部教える”から、“考えさせる”への転換は、教育にも企業にも通じる重要なテーマです。
人材の“自律性”に課題を感じている企業様へ
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