コーナン商事、“EC起点”で実店舗を強くする──中計リセットに見る危機対応と未来戦略
2025年4月、コーナン商事は当初進行中だった5カ年計画を途中で見直し、新たに3カ年の**中期経営計画(2026〜2028年2月期)**を策定しました。
**その背景には、**為替変動による原価上昇や、ドラッグストアなどとの競合激化があります。
**こうした外部環境の変化を受けて、**同社は「柔軟な対応力」と「次なる成長への土台づくり」を両立させる戦略を打ち出しました。
■ ECで“来店”を増やすという逆転の発想
今回の中計で特に注目すべきなのは、一見すると逆説的な「ECを通じてリアル店舗への来店を促す」という施策です。
具体的には、ECサイトで購入された商品の店舗受け取りを強化することで、
結果としてオンライン注文をリアルの接点に変える“ついで買い”の流れを創出しようとしています。
**加えて、**法人向け事業やリフォーム分野にもオンラインの活用を広げ、受注から業務処理までの効率化も目指しています。
■ 数値目標に見る「逆算型設計」
中計では、以下のような数値目標が掲げられています:
指標 | 25年実績 | 28年目標 | 増加率 |
---|---|---|---|
売上高 | 5014億円 | 5600億円 | +16% |
営業利益 | 250億円(推定) | 290億円 | +16% |
純利益 | 142億円 | 165億円 | +16% |
EC売上 | 非公開 | 2倍超 | — |
**注目すべきは、**売上・利益・EC領域すべてで「16%成長」を掲げている点です。
**つまり、**戦略と実行計画が数字から逆算されて設計されているということです。
■ Bay3の視点:「中計をやり直す勇気」こそ経営の胆
本来、2026年2月期で完了予定だった前中計を途中でリセットするという判断は、
一般的に見れば“ネガティブ”な印象を与えかねません。
**しかし、**コーナン商事は現実と向き合い、再設計を選びました。
なぜなら、「このままでは未来の飛躍につながらない」と判断したからです。
**この決断こそが、**Bay3が推奨する「柔軟性と逆算型設計」を体現する行動だといえるでしょう。
【Bay3式:修正型中計の3つのポイント】
- まずは、前提条件の変化を素早く把握する(情報感度)
- 次に、短期・中期・長期の“層”に分けて戦略を再構成する(三層化設計)
- 最後に、KPIを現場で追える形に“落とし込む”(実行可能性)
■ 成長と株主還元を両立させる設計
今回の中計では、**業績向上だけでなく、**株主還元にも力を入れています。
- 配当:年間130円(前期比+30円)
- 自社株買い:最大20億円(65万株)
したがって、「成長の投資」と「株主への信頼」が両立した中計といえます。
■ まとめ:「見直す力」が未来をつくる
コーナン商事の中期経営計画は、
単なる数値目標ではなく、組織としての“柔軟性”を示した宣言でもあります。
計画が現実とずれてきた
中計が“形だけ”になっている
KPIが意味をなさない
そうした悩みを抱える企業こそ、“中計を見直す勇気”を持つべきです。
コーナンのように、「基礎から立て直す中計」こそが、未来を支える土台になるのです。
Bay3では、
**「見直せる中計」「やり直せる戦略」**の設計を支援しています。
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