「採用しても定着しない」「結局ぜんぶ院長決裁」「忙しくて育成が止まる」——多くの歯科医院で起きている日常の“詰まり”は、組織マネジメントを仕組みとして設計すれば解けます。ここでいう組織マネジメントは、理念の共有×役割と権限の明確化×評価・給与の連動×教育・研修×情報共有(会議体)×KPIをひとつの運用ループにすること。小規模〜中規模の歯科医院でも今日から始められる実装方法に絞って解説します。
この記事のゴールはシンプル。院長の負担を減らしつつ、スタッフが育ち、患者体験が安定して向上する状態をつくること。そのために、ワンマン経営からの脱却、チーフ衛生士やマネージャーの育成、評価制度と給与テーブルの見える化、月次1on1や院内勉強会の型化まで、現場で「回る」やり方をお届けします。
- 得られること①:歯科医院の規模に合った役割分担と権限移譲の型
- 得られること②:評価・昇給ルールとフィードバック面談の実務テンプレ
- 得られること③:教育・研修を評価と連動させる運用サイクル(評価→教育→再評価)
- 得られること④:小規模(5〜10名)/中規模(20〜30名)での成功パターンとつまずき回避
この先は、まず「なぜ必要か」を腹落ちさせ、つぎに「どう設計し、どう回すか」を段階的に。読み終えたときには、A4一枚の“運用表”が手元に残るイメージで進めます。肩の力を抜いて、でも仕組みはガチっと。さあ、医院をチームで動く組織に変えていきましょう。
歯科医院における組織マネジメントの重要性

結論:院長ひとりで“全部見る”時代はもう限界。
組織マネジメント=役割分担×評価×教育×コミュニケーションを仕組み化できた医院ほど、定着・育成・患者満足が連動して伸びます。
- 負担軽減:診療専念できる時間を確保(決裁は最小、設計は最大)
- 定着向上:評価・給与・キャリアパスの見える化で離職リスクを先回り
- 品質安定:OJT/研修の標準化でサービス品質をブレさせない
- 成長加速:KPIと会議体を整えて、医院の意思決定を速く、軽く
まずは「なぜ必要か」「何が変わるか」を押さえましょう。ここを腹落ちさせると、“制度を作るだけ”から“回る仕組みに育てる”へ切り替えられます。
まずは30分で“詰まり”を見える化しませんか?
役割分担・評価・教育・会議体・KPIを一気にチェック。小さく始めて大きく外さないための第一歩です。
- 医院向け詰まりMAP(優先順位つき)を即日共有
- 90日ロードマップの簡易案つき
院長ワンマン経営の限界とリスク
Point:ワンマンは初期の成長には強いが、10名超で失速します。
理由はシンプル。情報集中・意思決定遅延・属人化の三重苦が起きるから。
- 情報集中:全相談が院長に集まり、現場が自律できない
- 遅延:決裁待ちが積み上がり、患者対応の機会損失が増える
- 属人化:やり方が人にひもづき、欠員時に業務が止まる
対策の方向性(今日からできる3つ):
- 役割×権限の棚卸し:受付・衛生士・助手・事務の決められる範囲を明文化
- 決裁ラインの2段化:日常運用はチーフ/例外のみ院長(例外条件を紙で定義)
- “1枚運用表”の導入:評価指標・面談日・昇給ルール・KPIをA4一枚に集約し掲示
ミニチェック:「院長の承認がないと動けない仕事」が週に3件以上ある → 権限移譲の設計不足サインです。
プレイングマネージャーとして限界を感じている方は、こちらの記事も参考にしてください。
スタッフ定着・育成と医院成長の関係性
Point:定着は善意ではなく仕組みで作る。定着が上がると、教育コストは逓減し、患者体験は逓増します。
- 定着を上げる因子:公平な評価(基準の具体性)/給与連動の明確化/キャリアパス
- 育成を加速する因子:OJTの標準化/OFF-JT(院内勉強会・外部研修)/月次1on1
- 患者価値につなぐ因子:接遇ルーブリック/説明の標準フレーズ/患者満足度の定点観測
運用サイクル(定着×育成):
- 半期評価:行動(バリュー)×成果(KPI)で採点
- 面談:良い点→課題→次の一歩の順で合意形成
- 教育連動:弱点別に研修アサイン(接遇/技術/リーダー)
- 月次1on1:目標進捗と障害除去を10分で
ひと言Tips:評価票だけでは定着しません。評価→給与→教育→再評価の循環で初めて“やる意味”が生まれます。
なぜ今「組織マネジメント」が求められているのか
環境変化が速く、院長の勘と根性だけでは回らない時代。
採用難/患者の目線の高度化/医療・法規の更新に対応するには、仕組みで強い医院にするしかありません。
- 採用・定着の競争:評価・給与・働き方の透明性が“選ばれる条件”に
- 患者体験の競争:説明品質と接遇は仕組み化しないと再現できない
- 院長時間の希少化:診療・経営・採用・広報を同時に回す時代=権限移譲が必須
この前提を踏まえて、役割分担・評価制度・教育・会議体をどう設計するか。小規模(5〜10名)と中規模(20〜30名)での実装ポイントも分けて解説します。
歯科医院でよくある組織課題と失敗パターン
「なんとなく回ってるけど、現場はいつもバタバタ」——原因はほぼ共通です。評価・給与の不透明さ、役割と権限の曖昧さ、教育・研修の属人化、そしてリーダー不在。
ここでは症状→原因→すぐ効く対策の順で、現場で使えるかたちに整理します。
評価や給与が不透明で不満が溜まる
症状:「なぜあの人だけ昇給?」「頑張っても報われない」などのざわつきが続く。面談が点数の読み上げで終わる。
原因:評価基準が抽象的。給与・賞与の連動ルールが見えない。キャリアパスが示されていない。
- 対策1|評価の言語化:職種別に観察可能な行動指標を作る(例:初診説明を3分で要約→理解確認を1回)。
- 対策2|連動ルールの明示:評価ランク→昇給額を表で固定(S:+5,000円/A:+3,000円/B:±0/C:改善プラン)。
- 対策3|キャリアパス:G1(新人)→G5(主任)までの役割・期待成果・給与レンジを1枚で提示。
- 対策4|面談の型:褒め→課題→約束の3ステップ+次期目標1つ(行動)×1つ(数値)。
チェック質問:「評価と昇給の関係を新人でも説明できる?」→NOなら、まずは“評価×給与テーブル”の配布から。
歯科スタッフの評価制度を設計する具体的な方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
役割分担が曖昧で院長に負担が集中する
症状:日々の判断が院長に集中。決裁待ちで現場が止まる。院長の不在日に品質が落ちる。
原因:役割定義が曖昧。権限移譲の基準がない。例外条件が決まっていない。
- 対策1|R&Rの明確化:受付/衛生士/助手/事務に決めてよい範囲を明文化(価格調整、予約変更、物品発注など)。
- 対策2|決裁の二段化:日常はチーフ決裁、例外(高額返金・クレーム・医療安全)は院長決裁。例外リストを紙で掲示。
- 対策3|会議体の設計:週次15分の現場ハドル、月次30分のKPIレビューで情報を前倒し共有。
- 対策4|“1枚運用表”:評価項目/面談日程/昇給ルール/主要KPIをA4に集約。新人にも渡す。
ミニTips:「院長承認が必要な案件」を週に2件までに制限。超えたら権限設計を見直し。
教育・研修が仕組み化されていない
症状:新人教育が人次第。中堅の技術が横展開されない。勉強会は開催しただけで終わる。
原因:OJTの標準がない。研修が評価とつながっていない。学びの記録と再評価がない。
- 対策1|30-60-90日オンボーディング:業務習得のチェックリストと指導担当を明記。
- 対策2|技術×接遇の二軸育成:手技だけでなく説明・共感・案内をルーブリック化。
- 対策3|評価と連動:面談で出た弱点を研修メニューに割り付け→次回面談で再評価。
- 対策4|学習の見える化:院内勉強会は要点・実施タスク・担当・期限を1枚に記録。
すぐやる一手:「新人チェックリスト」「接遇ルーブリック」「月次1on1メモ」をテンプレ化して配布。
中堅スタッフが育たずリーダー不在になる
症状:任せられる人がいない。院長が現場の調整まで抱える。リーダー候補が燃え尽きる。
原因:昇格基準が不明確。任せる前の権限・責任が曖昧。育成の機会設計がない。
- 対策1|グレード制:G3以上をリーダー候補と定義。役割(シフト管理・OJT)とKPI(離職・育成数)を明示。
- 対策2|ストレッチ課題:小さなプロジェクト(在庫最適化、リコール率改善など)を期間・成果・権限つきで任せる。
- 対策3|メンタリング:月1回のチーフ×候補1on1で、判断基準と振り返りを言語化。
- 対策4|評価の重み:リーダー候補には行動60:結果40で評価。短期数値に振れすぎない。
シグナル:「会議で誰も意思を取りまとめない」「改善提案が属人的」→役割設計と場づくりの不足です。
次の章では、今の課題を解消するために、理念共有→役割と権限→評価・給与→教育→会議体をどう設計すれば“回る仕組み”になるかを、規模別(5〜10名/20〜30名)に分けて具体化します。
組織マネジメント成功のための基本フレーム

結論:歯科医院を“院長一人の奮闘”から“チームで回る仕組み”へ。
その土台は理念・役割・評価×給与・教育・会議体の5点セット。バラバラに導入せず、ひとつの運用ループとしてつなぐと効果が跳ね上がります。
医院の理念・ビジョンを共有する
Point:理念はポスターではなく判断基準。日々の小さな意思決定がそろうほど現場は迷わない。
- 言語化:「医院は何のために存在するか」「患者体験で何を最重視するか」を1文×3個で定義。
- 翻訳:理念→行動指針へ変換(例:共感→要約→次回案内を全員の接遇基本動作に設定)。
- 接続:評価項目・研修テーマ・会議アジェンダに理念のキーワードを同じ語彙で埋め込む。
役割と権限を明確化する
Point:混乱の8割は「誰が決めるか」の不明確さ。役割(R)と権限(A)をセットで定義。
- R&R表:受付/衛生士/助手/事務/チーフの決裁範囲・例外条件をA4一枚に集約。
- 決裁の二段化:日常運用はチーフ決裁、例外のみ院長(高額返金・医療安全・クレーム種別)。
- 引き継ぎルール:不在時の代理者・連絡手段・タイムリミットを事前定義。
評価制度・給与制度とリンクさせる
Point:評価は給与・昇給・賞与と連動しないと定着しない。基準は観察可能に。
- 職種別ルーブリック:技術/接遇/協働/成長の4指標×4段階で行動定義。
- ランク連動:S/A/B/Cと昇給額を固定(例:S:+5,000円/A:+3,000円/B:±0/C:改善プラン)。
- 賞与の二軸:個人評価×医院業績の係数で算定(例:S=1.2、A=1.0、B=0.8)。
教育・研修の仕組みを整える
Point:評価→教育→再評価の循環で人が育つ。勘と根性では再現しない。
- 30-60-90日オンボーディング:新人の習得チェックリストと指導担当を明記。
- 弱点別メニュー:接遇ロールプレイ/技術OJT/リーダー候補研修を常設カリキュラム化。
- 学習の可視化:研修後に行動タスク・期限・担当を1枚で記録→次回面談で確認。
コミュニケーションと会議体を設計する
Point:会議は“情報の置き場”。目的別に短く、定型で、前倒しを徹底。
- デイリーハドル(5分):本日の予約変動・役割・注意点共有。
- 週次オペ会(15分):クレーム・滅菌・在庫・業務改善の報告と次週タスク。
- 月次KPI会(30分):来院率・リコール率・キャンセル率・NPSを確認し、アクション3つに集約。
合言葉:「雑談ゼロ、決定3つ」。会議は“決める場”に固定。
歯科医院における人事制度の構築と運用について、全体像をより深く理解したい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
小規模医院(スタッフ5〜10名)のマネジメント戦略
結論:小規模はシンプルさ=正義。項目を絞り、回す頻度を上げると機能する。
少人数だからこそ機能するシンプルな役割分担
- 役割の二段化:各職種に担当+副担当を設定(例:在庫:助手/副:受付)。欠員時も止まらない。
- 決裁テンプレ:価格調整・予約変更・返金対応のOK/NGリストを掲示。
- 1枚運用表:評価項目・面談日・昇給ルール・主要KPIをA4一枚で全員に配布。
ミニチェック:「院長の承認待ち案件」が週3件以上→権限設計の見直しサイン。
月次1on1でスタッフのモチベーションを高める方法
フォーマット(10分固定):
- 良い行動の具体例を1つ共有(事実ベース)。
- 課題を1つだけ合意(影響と原因を短く)。
- 次の一歩を1つ決める(期限・支援者・測定方法)。
- 台本キーワード:「共感→要約→提案」。
- 記録:1on1メモをテンプレで保存→半期評価に直結。
評価シートと給与連動のシンプル運用例
- 評価設計:職種別4指標×4段階のみ(例:技術/接遇/協働/成長)。
- 重み付け:技術40・接遇30・協働20・成長10など医院方針で固定。
- 給与連動:ランクS/A/B/C→昇給額を固定。賞与は個人評価×医院業績で算定。
- 面談頻度:月次1on1+半期評価。半期は昇給・昇格をセットで決定。
すぐ始めるセット:役割表・1枚運用表・評価シート・1on1台本の4点を作り、全員に配布。翌月から運用開始。
中規模医院(スタッフ20〜30名)のマネジメント戦略
結論:20名を超えたら「院長の目配り」では限界。
チーフ衛生士・マネージャーの層づくりと、グレード制(キャリアパス)、そして評価×教育の運用ループがカギです。
チーフ衛生士・マネージャーの育成と役割設計
役割は肩書きではなく、ミッション・権限・KPIのセットで渡します。ここが曖昧だと、人も制度も空回りします。
- チーフ衛生士(臨床リーダー)
- ミッション:臨床・接遇の標準化で再来と紹介を伸ばす。
- 権限:シフト最終調整/物品・手順の標準更新/新人OJTのアサイン。
- KPI:リコール率・施術時間のばらつき・接遇ルーブリック達成率・離職率。
- マネージャー(運営リーダー)
- ミッション:受付・滅菌・在庫・会計の業務フロー最適化で現場の停滞をゼロに。
- 権限:在庫発注上限/受付オペの基準更新/クレーム一次対応の最終判断。
- KPI:来院率・無断キャンセル率・会計待ち時間・クレーム一次解決率。
90日育成ロードマップ
- 0–30日:現状観察と基準合わせ(評価ルーブリックの解釈・KPIの読み方・会議体の台本共有)。
- 31–60日:小プロジェクト主導(例:説明フレーズの標準化、在庫最適化)。週次で壁打ち。
- 61–90日:面談同席→単独実施へ移行。月次KPI会で改善策をプレゼン。
選抜基準のコツ:技術一点豪華主義より行動の再現性×説明力×コーチング姿勢。人を育てる人を選びます。
グレード制・キャリアパス導入の実践ポイント
グレード=役割と報酬の地図。昇格の道筋が見えないと定着も育成も止まります。
- 等級設計(例):G1:新人/G2:独り立ち/G3:上級(後輩育成)/G4:チーフ候補/G5:チーフ・マネージャー。
- レベル定義:各等級で行動基準・期待成果・意思決定の範囲を1行で明記(観察可能に)。
- 昇格条件:半期でルーブリック平均×KPI達成+面接(ケース討議)で判定。
- 給与レンジ:グレードごとにレンジ幅を提示。評価ランク(S/A/B/C)で昇給額を固定。
- キャリパス可視化:院内ポータルorA4一枚に道筋と要件を図解。
運用の肝:昇格を「空気」で決めない。校正会(キャリブレーション)で評価のブレを月1で調整。
教育・研修と評価を連動させる仕組み
評価→教育→再評価が回ると、人は伸び、制度は強くなります。点数の読み上げで終わらせない設計に。
- 弱点別メニュー:接遇(共感→要約→次回案内のロープレ)、技術(OJT手順書)、リーダー(1on1・ファシリ)。
- 月次1on1:10分で「良かった行動→課題→次の一歩」。テンプレで記録→半期評価へ連結。
- 学習の可視化:研修後は行動タスク・期限・担当を決めてダッシュボードで見える化。
- 患者価値との接続:接遇と説明標準化をNPS・再来率で検証。数値に結ぶ。
ワンポイント:研修は「イベント」ではなく常設カリキュラム。毎月回すから効きます。
チーフ候補向け・全3回「ミニブートキャンプ」
1on1のやり方/会議ファシリ/改善プロジェクト運営を実戦形式で習得。
- ケース演習+現場課題で翌日から実装
- 受講後はKPI改善レポートで定着支援
そのまま使える「権限移譲スターターキット」配布中
R&R表(役割と権限)/例外リスト/A4・1枚運用表の雛形セットで、明日から運用スタート。
- 小規模(5〜10名)・中規模(20〜30名)で2パターン収録
- 導入解説つきで15分あれば配布可能
院長の負担を減らすための役割分担と仕組み化
結論:院長の時間は「方向を決める」に集中。運用は仕組みと権限移譲で回します。
院長の役割:ビジョン提示と最終意思決定
- ビジョンの言語化:医院の存在意義・患者体験の最重視ポイントを1文×3つで明示。
- 意思決定の範囲:医療安全・高額投資・人事の最終決裁のみ。例外条件を紙で定義。
- 会議での立ち回り:細部に入らず、KPI→課題→優先順位→決定の型で締める。
副院長・チーフの役割:現場マネジメントと育成
- 日常運用の最終責任:シフト・物品・説明品質・OJTをチーフが管理。
- 評価一次案:行動観察を元に半期評価のドラフトを作成(院長はバイアス是正)。
- 人材育成:月1のメンタリング(ケース共有・判断基準の言語化)。
コツ:「チーフ会」を月1(15分)。現場の判断ズレをすり合わせ、同じ基準で動ける状態に。
事務長・マネージャーの役割:制度運用と調整
- 制度の土台運用:評価シート配布・回収、面談日程、給与テーブルの反映。
- KPI可視化:キャンセル率・来院率・会計待ち・NPSを月次で集計し、会議に提示。
- 業務フロー最適化:受付・会計・在庫・滅菌のSOP(標準手順)更新。
ポイント:「運用」が止まると制度は死にます。事務長は制度の心臓役。
会議設計と情報共有の効率化
会議=意思決定のショートカット。目的別・時間固定・定型アジェンダで回します。
- デイリーハドル(5分):当日の注意点・役割・特記事項を共有。
- 週次オペ会(15分):クレーム・滅菌・在庫・業務改善の進捗と次週タスク。
- 月次KPI会(30分):来院率・リコール率・キャンセル率・NPS→改善アクション3つに集約。
合言葉:「雑談ゼロ、決定3つ」。議事はテンプレ1枚で共有、未決は次回の先頭へ。
中規模医院(スタッフ20〜30名)のマネジメント戦略

結論:人数が20名を超えると、院長の“気合いと目配り”は限界。
中規模フェーズは役割の層を増やし(チーフ・マネージャー)、グレード制・キャリアパスで成長の道筋を見える化し、評価×教育を運用で回すことが肝心。
チーフ衛生士・マネージャーの育成と役割設計
Point:肩書きを配るのではなく、役割(ミッション)・権限(決められること)・成果指標(KPI)をセットで渡す。
- チーフ衛生士(臨床リーダー)
- ミッション:衛生士チームの臨床品質と接遇品質を安定させ、再来・紹介につなげる。
- 権限:シフト最終調整/物品標準の決定/新人OJTアサイン。
- KPI:リコール率/施術時間のばらつき係数/接遇ルーブリック達成率/離職率。
- マネージャー(運営リーダー)
- ミッション:医院全体の運営最適化(受付・滅菌・在庫・会計・クレーム対応の標準化)。
- 権限:在庫発注上限/受付オペ基準の更新/業務フロー変更の一次承認。
- KPI:来院率/無断キャンセル率/会計待ち時間/クレーム一次解決率。
90日育成プラン(例):
- 0〜30日:現状観察&基準合わせ(ルーブリック・KPIの読み方・会議体の台本)。
- 31〜60日:小プロジェクト主導(在庫最適化/説明フレーズ標準化など)。週次で壁打ち。
- 61〜90日:面談の同席→単独実施へ移行。月次KPI会で改善案を発表。
選抜基準のコツ:技術一流よりも行動基準の再現性と説明力。人を育てる役割は、伝える力が命。
事例から学ぶ歯科医院の組織マネジメント成功例
机上の理屈を“現場で回る型”に変えたケースを、規模別・目的別にまとめました。
何をやり、どう測り、どの順で定着させたか——実装のイメージをつかんでください。
小規模医院での成功事例:月次面談で離職率を半減
- 背景:スタッフ7名。評価は口頭ベース、昇給基準が不明確。新人の1年以内離職が続いていた。
- 実施(90日):
- 行動基準をA4一枚化:職種別4指標×4段階のルーブリックを作成。
- 月次1on1(10分)を固定:「良い行動→課題1つ→次の一歩1つ」をテンプレで記録。
- 昇給ルールの見える化:S/A/B/Cと昇給額の表を配布し、署名で合意。
- 効果:面談満足度が向上し、退職意向が低下。半年で離職率が約半減。
- 気づき:面談は成績発表ではなく“次の一歩を決める場”。課題は1つに絞ると行動が続く。
面談の質、台本で一気に上げましょう
1on1台本/SBIメモ/NGワード集/目標サンプルをまとめた面談テンプレをご用意。
- 初回面談の同席サポートも可能
- 半期評価と給与連動の運用例つき
中規模医院での成功事例:チーフ制度で院長の負担を軽減
- 背景:スタッフ25名。全承認が院長に集中し、現場判断が停滞。
- 実施(60日):
- チーフ任命:衛生士・受付で各1名。ミッション・権限・KPIをセットで定義。
- 決裁の二段化:日常はチーフ、例外(医療安全・高額返金・重大クレーム)のみ院長。
- 月1チーフ会(15分):判断基準のすり合わせとKPIレビューを定例化。
- 効果:承認待ちが激減し、小改善が現場で連鎖。院長は“方向を決める時間”を確保。
- 気づき:選抜は“技術の名手”より説明力×再現性重視。人を育てるのは伝える力。
「評価×患者満足度」をつなげた仕組み化の事例
- 設計:接遇ルーブリック(共感→要約→次回案内)を作成し、NPS・再来率と連動して月次レビュー。
- 運用:ロールプレイを毎月3ケース(初診・説明・クレーム)。録音→振り返り→次の一歩を決定。
- 効果:説明の標準化が進み、キャンセル率↓・紹介経由↑。スタッフの“やる意味”が明確に。
- 気づき:数値偏重は空回り。行動60:結果40の重みで季節変動の影響を均す。
Bay3の支援事例から得られた実践知
- 1枚運用表が効く:評価・昇給・面談日・KPIをA4一枚に集約すると迷子が出ない。
- 重要5項目で十分:項目過多は形骸化のもと。まずは“重要5×重み”で運用を軽く。
- 台本で均質化:1on1は褒め→課題→約束の台本でフィードバック品質をそろえる。
- 90日で回す:プロトタイプ→試運用→改訂。作り込むより回して直す。
90日で「回る組織」へ。伴走します。
プロトタイプ→試運用→改訂まで週次で実行支援。規模と現場に合わせて“続く仕組み”をつくります。
- 重要5項目×重みでカンタン導入
- AI活用で運用負担をミニマムに
まとめ|歯科医院の成長を支える組織マネジメント
制度は“作って終わり”ではなく、運用で育てるプロダクト。明日から動けるコンパスを置いて締めます。
院長が押さえるべき3つの視点
- 公平性×透明性:評価は観察可能に、昇給ルールは紙で合意。
- 運用の軽さ:月次10分1on1+半期評価。続く型が最強。
- 成長への接続:評価→教育→再評価の循環。弱点は研修メニューで補強。
制度を“作る”から“育てる”へ
- 初期セット:役割表/1枚運用表/評価シート/1on1台本。
- リズム固定:週次ハドル・月次1on1・月次KPI会。
- 見直し:半期ごとに制度レビュー会(30分)で現場の声を反映。
資料請求・相談で得られる具体的サポート
- 現状診断(30分):評価の偏り・運用の詰まりを可視化。
- 職種別ルーブリック雛形:衛生士・受付・助手の4指標×4段階テンプレ。
- 給与テーブル設計:ランク連動の昇給・賞与ルールを規模最適で。
- 面談キット:台本・NGワード集・1on1メモテンプレ。
- 教育連動パック:接遇ロープレ/OJT手順書/リーダー研修ミニケース。
- 90日伴走:プロトタイプ→試運用→改訂を週次で支援。
一歩目はシンプルでOK。まずはA4一枚の運用表から、医院を“チームで動く組織”へアップデートしましょう。
資料で全体を一気に把握。明日から動ける設計書つき。
組織マネジメント全体像/R&R雛形/評価・給与連動/会議テンプレを1冊に凝縮。