信頼される人事制度に必要な“運用の質
はじめに
「評価制度は作った。でも、なぜか不満が出る」
そんな悩みを抱える経営者や人事担当者は少なくありません。制度設計に自信があっても、現場では納得されない——。その“ズレ”の背景には、制度の構造ではなく、運用の質が大きく関係しているのです。
なぜ評価制度は“納得されにくい”のか?
評価制度が形骸化する原因には、いくつかの共通点があります。
① 評価基準があいまい
たとえば、「リーダーシップがある」といった表現。
これは一見わかりやすいようでいて、具体的に“何をすればよいのか”が不明確です。
この曖昧さが、評価者の主観を呼び込み、不信感につながります。
② 評価の理由が伝えられていない
結果のスコアは通知されているが、「なぜその点数だったのか」が説明されていない。
こうした状況では、評価結果に納得できない社員が増えてしまいます。
やがて、組織への信頼も揺らぎかねません。
③ 面談が“通知の場”で終わっている
評価面談が、単なる「結果の通達」で終わっていませんか?
本来、評価面談は成長を促す対話の機会であるべきです。
しかし、準備不足や時間制約によって、形式だけの面談になっているケースが少なくありません。
「納得される評価制度」に必要な3つの視点
視点 | 解説 |
---|---|
1. 評価の定義を言語化する | 「リーダーシップ」「主体性」などの評価項目を、行動レベルにまで落とし込むことで、あいまいさを排除します。 |
2. 面談の時間を“意味ある場”にする | 評価面談を「通知」ではなく「対話」に変えることで、社員が自分の成長と結びつけて理解できるようになります。 |
3. 評価者への研修を行う | 評価者が“説明責任”を果たせるよう、評価基準の解釈を揃える研修を実施することが重要です。 |
【Bay3支援事例】制度は変えずに、納得度88%に
ある中堅企業では、評価制度自体はそのままに、以下の3つの施策を導入しました。
- 評価項目ごとに「具体的な行動例」を設定
- 全管理職に対する「評価フィードバック研修」
- 評価前後の1on1で“納得形成”の対話を設計
結果として、評価に対する納得度が**57% → 88%**まで向上。
制度の“中身”ではなく“使い方”に着目することで、組織全体の信頼が深まりました。
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まとめ|「制度」よりも、「伝え方」と「つなぎ方」
評価制度は、人を動かす“信頼の土台”です。
しかし、その制度が信頼されなければ、どれだけ整えても機能しません。
だからこそ重要なのは、「運用の質」なのです。
誰が、どのように、どんな言葉で伝えるのか?
それによって、評価制度は“納得される仕組み”に変わります。
「うちの評価、ズレてるかも」と感じたらご相談を
Bay3では、“制度”ではなく“運用”に効くサポートを行っています。
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所要時間:30〜45分(オンライン可)
納得される評価制度は、「信頼される組織文化」から。
形だけの制度を、意味ある対話へ変えていきましょう。