最終更新日:2026年10月22日 | 執筆:Bay3株式会社 代表取締役 三浦一晃
部下の目標は、会社や部署の今期の目標から下ろしてきた数字をもとに、「何を・どこまで・いつまでに・どうやって」の4つがそろった1文で書くと、期末に達成したかどうかを上司と部下が同じ物差しで判断できます。ネットの例文をそのまま写すより、職種ごとに追いかける数字を決め、成果の目標と行動の目標を1つずつ組にして書くほうが、届かなかったときに何を変えればよいかまで話し合えます。例文の数字は、自社の前期の実績に置き換えたうえで使うのが前提です。営業・事務・人事・技術・企画・製造・店舗・介護医療の8職種の例文は表3に、新人から管理職までの例文は表4にまとめてあり、例文を先に見たい場合はそこから読み始めても話が通じるように書いています。
社員が10〜100名程度で人事の担当者を置いていない会社だと、評価シートの目標欄は現場の上司が部下と相談しながら埋めることが多く、書いた本人にしか意味の分からない目標が期末まで残ってしまいがちです。部下の目標を自社の評価や給与の仕組みにどうつなげるかで迷っている場合は、60分の無料相談で、三浦が会社の状況をうかがいながら一緒に整理します。
- 会社と部署の目標から下ろし、本人の行動で動かせる数字だけを個人の目標にする
- 1つの目標に、対象・到達の水準・期限・行動の4つを入れる
- 成果目標と行動目標を組にし、目標の数は3〜5つに絞る
- 週報で記録し、月1回の面談で直し、四半期末の評価面談で振り返る
部下の目標は会社の目標から下ろし、本人が動かせる範囲で書きます
部下の目標は、会社の3年計画から年間目標、四半期のKPIへと下ろしてきた数字のうち、その部下が自分の行動で動かせる部分を切り出して書きます。会社の方向とつながっていない目標は、達成しても部署や会社の成果に結びつかず、上司も部下も「頑張ったのに評価されない」という不満を抱えやすいからです。Bay3は「3年計画→年間目標→四半期のKPI→毎週の行動→評価→給与」の順につなげて制度を設計しており、部下の個人目標はこの流れの中の、四半期のKPIと毎週の行動にあたります。たとえば会社が今期は新規顧客を増やすと決めたなら、営業の部下には新規の商談数を、事務の部下には見積書を出すまでの日数を持ってもらい、同じ方向を向いた別々の数字で支える形にします。
図1 会社の目標から部下の目標までのつながり
人が辞めていく会社では、評価の基準が社員から見えず、短期の数字だけが追いかけられている、というのが三浦の見方です。Bay3の離職の兆しチェックリストにも、どこを頑張れば評価されるのか分からない、という声を従業員から聞いたことがあるかを問う項目を入れています。部下の目標を会社の目標から下ろして書き、期の初めに本人と共有しておけば、上司はこの声に目標の文そのもので答えられ、本人のモチベーションの向上にもつなげやすくなります。
反対に、会社全体の利益や部署の離職率のように、本人の行動だけでは動かない数字を個人の目標に入れると、達成も未達成も本人の努力と関係のないところで決まってしまいます。個人の目標に入れてよいのは本人の仕事の量や質で変わる数字と行動までで、部署全体の数字は、部署をまとめる管理職の目標に置くのが基本です。入れるかどうか迷った数字は、次の囲みの問いに当てはめると判断しやすくなります。
- この部下が来週の行動を変えたら、この数字は動くか
- この数字を、毎週の週報や日報で記録できるか
- 部署や会社の今期の目標と、同じ方向を向いているか
3つとも「はい」なら個人の目標に入れ、1つでも「いいえ」なら上司の目標か、部署の目標に置き直します。
書く前に、期待する役割と今の実力を部下とすり合わせます
目標を書き始める前に、上司は「この期に部下へ期待する役割」と「部下の現状のスキルで、できていること・まだできていないこと」を整理し、面談で本人の見立てと比べます。上司だけで決めた目標は本人にとって押し付けに感じられ、本人だけに書かせると、達成しやすい低めの目標に寄りやすいからです。たとえば入社2年目の事務担当なら、上司は「来期は請求の締め作業を1人で回してほしい」と期待している一方で、本人は「月末の照合にまだ自信がない」と感じている、というずれが面談の場で見えてきます。このずれを書き出し、期待する役割に向けた最初のステップを今期の目標にすると、本人が工夫すれば届く適切な高さに置けます。
- 今期の会社と部署の目標のうち、この部下にかかわる数字
- 部下に任せたい仕事と、任せたい時期
- 前期の実績と日々の仕事ぶりから見た、できていることとまだできていないこと
- 本人がスキルアップしたいと話している分野や、将来やってみたい仕事
面談の前に上の4つを上司のメモにまとめておくと、話が雑談に流れず、30分ほどで目標の下書きまで進められます。本人の意向を聞く時間を最初に取っておくと、目標が会社の都合だけで決まったという印象が薄れ、期の途中で行き詰まったときにも本人から相談が上がりやすくなります。
目標の文は「何を・どこまで・いつまでに・どうやって」で書きます
目標の1文には、何を(対象)、どこまで(数値か状態)、いつまでに(期限)、どうやって(行動)の4つを入れます。このうち1つでも欠けると、期末に達成したかどうかを上司と部下が別々の基準で判断することになり、評価の面談が言い分のぶつけ合いになりやすいからです。目標設定の考え方として知られるSMARTの法則(具体的・測定できる・達成できる・関連がある・期限がある)のうち、具体的・測定できる・期限があるの3つは、4つの要素の「何を」「どこまで」「いつまでに」と同じことを指しています。上司と部下が期待を明確にし、同じ理解のもとで1期を進められるよう、上司が部下の目標をチェックするときは、文の中に数字か状態と日付が入っているかを最初に見て、入っていなければその場で一緒に書き足すようにします。
| 要素 | 書く中身 | 抜けたときに起きること | 書き方の例 |
|---|---|---|---|
| 何を | 対象の仕事・顧客・作業 | 人によって思い浮かべる仕事が違う | 既存顧客への追加の提案 |
| どこまで | 件数・金額・割合、または「1人でできる」状態 | 達成したかどうかを判断できない | 月に4件 |
| いつまでに | 日付か期間 | 忙しい月に後回しになる | 12月末までに |
| どうやって | 毎週・毎日の行動 | 届かなかった理由が分からない | 訪問のたびに次の提案の日程を決める |
表1 目標の文に入れる4つの要素
4つの要素を入れて書き直すと、同じ目標でも読み手が思い浮かべる行動がそろいます。図2の左は評価シートでよく見かける書き方で、右は同じ意図を4つの要素で書き直したものです。
- 営業力を強化する
- 業務の効率化に取り組む
- 後輩の指導を頑張る
- 12月末までに既存顧客への追加の提案を月4件にする。訪問のたびに次の提案の日程を決める
- 3月末までに請求書1件の作成時間を20分から10分にする。11月中に入力の手順書を作る
- 後輩1名が来期から1人で見積書を作れるよう、毎週金曜に30分、その週に後輩が作った見積書を一緒に見直す
図2 目標文の書き換え例(数字は見本)
Bay3の3か年経営計画・年度計画テンプレートでも、アクションの達成基準は「営業を強化する」のような言葉で済ませず、訪問する社数や契約の件数のように数字や状態で書くよう案内しています。言葉だけの目標は、書いた直後の本人には具体的に見えても、半年たって読み返すと何ができていれば達成なのかが分からなくなるからです。書き終えたら、その目標を別の上司が読んでも同じ行動を思い浮かべるかどうかを基準に、言葉を選び直すと精度が上がります。
目標の数は3〜5つに絞り、重みで優先順位を伝えます
1人の目標が7つも8つも並ぶと、1つあたりの重みが薄まり、部下は何から手を付ければよいのかを読み取れなくなります。社員10〜100名程度の会社を支援する際、Bay3は評価する上司の負担で制度が止まってしまわないよう、項目の多さや面談の頻度を人数に見合った量に抑えています。部下の目標も同じ考え方で3〜5つに絞り、今期とくに力を入れてほしい目標の比重を重くしておくと、会社の期待が本人に伝わり、日々の仕事の優先順位を部下が自分で判断できるようになります。高さは前期の実績を基準に、本人が工夫すれば届く水準に置き、前期の倍のような大きな上積みが必要なら、期の途中に中間の目標を設けて段階的に上げていきます。
成果目標と行動目標を組にすると、未達の理由まで話し合えます
部下の目標は、期末に届いたかを見る成果目標と、毎週やったかを週報で数える行動目標を、1つずつ組にして書きます。成果目標だけだと、未達だったときに「足りなかった」以上の話ができず、行動目標だけだと、やるべきことはやったのに会社の数字が動いていない状態に気づけないからです。たとえば営業の部下なら「12月末までに新規契約を6件」が成果目標、「新規の見込み客に週5件の電話をかける」が行動目標で、期の途中で契約が伸びていなければ、電話の件数が足りなかったのか、電話のあとの提案に課題があるのかを分けて考えられます。定量で書きにくい育成のテーマも、行動目標の形にすれば回数や期限で進み具合を把握できるようになります。
| 種類 | 何を書くか | いつ振り返るか | 例文 |
|---|---|---|---|
| 成果目標(定量) | 期末に到達したい数値 | 四半期末・期末 | 12月末までに新規契約を6件獲得する |
| 行動目標(定量) | 毎週・毎日の行動の回数 | 毎週の週報 | 新規の見込み客に週5件の電話をかける |
| 能力・育成目標(定性) | できるようになりたい仕事と、できたと判断する状態 | 月1回の面談 | 3月末までに提案書を1人で作成し、上司の修正を1回で済ませる |
表2 成果目標・行動目標・能力目標の違い(数字は見本)
行動目標は、ほかの社員が読んでも同じ動きを頭に描ける細かさまで、仕事を分けて書くのがコツです。Bay3が配っている生成AI向けの業務の棚卸しシートでも、仕事を「営業」とひとまとめにせず、商談のあとにお礼のメールを送る、くらいの1つの作業に分けて書き出す形をとっています。行動目標も同じ細かさにしておけば、週報に今週は何回やったかを記録でき、上司は回数の推移を見ながら、つまずいている部下に早めのタイミングでアドバイスできます。
「コミュニケーション力を高める」「主体性を持つ」のような目標は、上司によって思い浮かべる姿が違うため、そのままでは評価できません。「顧客との打ち合わせのあと、当日中に議事録を送る」「週1回の会議で、改善の提案を自分から1つ出す」のように、できたかどうかを第三者が見て判断できる状態に言い換えてから目標欄に書きます。
職種別の例文は、営業・事務・現場・専門職で測る数字を変えて書きます
営業は金額と件数、事務は処理の時間とミスの数、製造や店舗、介護の現場は品質と任せられる作業の数を軸に例文を選びます。同じ「業務の改善」という目標でも、営業なら商談の数、事務なら1件あたりの処理時間、製造の現場なら不良の件数のように、日々の仕事で記録できる数字に置き換えなければ、期の途中で進捗を追えないからです。表3は職種ごとに成果・行動・能力の3つの例文を並べたもので、数字はすべて書き方の見本なので、自社の前期の実績に合わせて書き換えて使います。
| 職種 | 成果目標の例文 | 行動目標の例文 | 能力・育成目標の例文 |
|---|---|---|---|
| 営業職 | 3月末までに新規顧客からの売上を前期比120%にする | 既存顧客を月10社訪問し、紹介を依頼する | 3月末までに業界別の提案資料を2種類作成し、チームで共有する |
| 事務職(経理・総務) | 月次の締めを毎月5営業日以内に終える | 締めに必要な領収書と請求書の提出状況を毎週月曜に見て、未提出の人に当日中に連絡する | 3月末までに給与計算の流れを1人で担当できるようになる |
| 人事・労務 | 3月末までに、応募を受けてから一次面接を行うまでの日数を平均5日以内にする | 応募者への連絡を受け付けた当日中に返す | 3月末までに評価面談の進め方を管理職に説明できるようになる |
| 技術職・開発 | 担当する開発の案件を、すべて納期内に完了する | コードのレビューを依頼から2営業日以内に返す | 3月末までに新しい開発のツールを使いこなし、チームに使い方を説明できるようになる |
| 企画・マーケティング | 3月末までにホームページからの問い合わせを月15件にする | 顧客の事例の記事を毎月2本公開する | 3月末までに広告の費用対効果を自分で集計し、改善案を出せるようになる |
| 製造・現場職 | 3月末までに担当工程の不良率を前期の半分にする | 作業の前に毎日5分の点検を行い、記録を残す | 3月末までに担当できる工程を2つ増やし、その2工程を1人で任せられるようになる |
| 店舗・サービス | 3月末までに、担当する夕方の時間帯の客単価を前期の平均から100円上げる | 来店したお客様の次回の予約を、会計時に毎回案内する | 12月末までに新人スタッフ1名に開店の準備を教え、1人で任せられるようにする |
| 介護・医療などの専門職 | 3月末までに、介護記録の書き漏れを前期の月平均から半分に減らす | 記録の書き漏れを毎日の業務の終わりに確かめる | 3月末までに新人の指導役を1人で担当できるようになる |
表3 職種別の目標の例文(数字は見本)
営業職は売上と件数に、そこへ至る行動の数を添えます
営業職の目標は売上や契約の件数を成果目標に置くのが基本ですが、成果の数字だけでは、目標に届かなかった月に何を変えればよいかを部下が自分で考えられません。成果に至るまでの商談数、訪問数、提案数のうち、自社の営業の流れでいちばん差が出る段階の数字を行動目標に選ぶと、週報を見るだけで上司も部下も手の打ちどころが分かります。新規の開拓が中心の部下と、既存顧客の担当が中心の部下では追う数字が変わるため、同じ営業部でも1人ずつ例文を選び直し、下の例文の数字も自社の前期の実績に置き換えて使います。
- 12月末までに新規契約を6件獲得する。そのために新規の見込み客との商談を毎週2件設定する
- 既存顧客の継続率を今期95%以上に保つ。契約の更新月の2か月前に、担当の顧客全員を訪問する
- 3月末までに後輩1名が1人で初回の商談を担当できるよう、毎月2回同行して終わったあとに振り返る
事務職は処理の時間とミスの回数で、改善を数字にします
事務職は売上を直接生まないため、目標を書くときに「正確に処理する」「効率化を図る」のような言葉で済ませてしまいがちです。けれども事務の仕事も、1件あたりの処理時間、締め日を守れた割合、差し戻しやミスの回数といった数字で十分に測ることができ、改善の成果も目に見える形で残せます。経理・総務・労務のように担当の範囲が広い部下には、今期いちばん時間がかかっている業務を1つ選び、その時間をどれだけ削減するかを成果目標にすると、取り組む順番がはっきりします。
- 3月末までに経費精算の差し戻しを月10件から3件に減らす。よくある記入の誤りを一覧にして社内に配る
- 月末の請求書の発行を、毎月3営業日目までに終える。発行の前日に、上司と5分の確認の時間を取る
- 来期から社会保険の手続きを1人で担当できるよう、今期中に上司と一緒に3件を処理する
現場職と専門職は品質と、1人で任せられる作業の数で書きます
製造や店舗、介護や医療の現場では、売上が1人の努力だけで決まることは少ないため、不良やクレームの少なさと、1人で任せられる作業の数を成果の中心に置き、お客様や利用者への対応の質を数字で追います。不良やクレーム、記録の書き漏れのように「起きなかったこと」を成果にする目標は、ゼロを目指すより、前期の実績から何割減らすかを書いたほうが、達成の見込みが立ち本人も取り組みやすくなります。技術の習得を目標にするときは「〜を学ぶ」で止めず、どの作業を誰の手助けなしに担当できたら達成かまで書くと、上司が判断に迷いません。
- 担当工程の不良を前期の月平均から3割減らす。不良が出た日は、その日のうちに原因を記録に残す
- 新人2名が開店の準備を1人でこなせるよう、11月と12月に1名ずつ付き添って教える
- 歯科衛生士なら、3月末までに担当患者の定期検診の予約率を前期より1割上げる。治療が終わる回の来院時に、次の検診日を患者と一緒に決めて予約を取る
評価項目ごとに期間の目標・ウェイト・0〜10点の基準を書き込める形で、営業職の記入例が入っています。部下と決めた目標をそのまま書き写せば、期末の評価まで同じシートで進められます。
テンプレートを受け取る新人・中堅・管理職では、任せる範囲の広さに合わせて目標を変えます
新人は仕事を覚える目標、中堅は1人で回して改善する目標、管理職は部下とチームの成果の目標と、階層が上がるほど任せる範囲を広げて書きます。同じ職種でも、入社1年目の社員に中堅と同じ売上の目標を持たせると、届かない数字に追われて早いうちに自信をなくしてしまい、反対に中堅に新人と同じ「覚える」目標を書くと、本人の成長の機会を会社が狭めてしまうからです。新入社員の場合は、期限を区切って1人で実践できる業務を少しずつ増やしていく形にすると、本人も成長を実感しやすくなります。
| 階層 | 目標の中心 | 例文 | 上司の関わり方 |
|---|---|---|---|
| 新入社員 | 基礎の知識と仕事の手順を覚える | 6月末までに受注から発送までの手順を1人で処理できるようになる | 毎日の終わりに10分、できたことと困ったことを聞く |
| 中堅社員 | 1人で担当を回し、仕事のやり方を改善する | 担当業務の手順書を作り、処理時間を前期より2割短くする | 月1回の面談で、改善の案を本人から出してもらう |
| リーダー候補 | 後輩の指導と、チームの数字への関わり | 後輩2名の週報に毎週コメントを書き、2名とも行動目標を達成させる | 指導のしかたを一緒に振り返り、任せる範囲を広げる |
| 管理職 | 部署の目標の達成と、部下の育成 | 部署の四半期のKPIを達成し、部下全員と月1回の1対1の面談を行う | 部署の数字と面談の実施状況を、経営者と毎月確認する |
表4 階層別の目標の中心と例文(数字は見本)
管理職の目標は、本人のプレーヤーとしての売上よりも、部署の数字の達成と部下の育成に重みを置くと役割に合います。部下との1対1の面談の実施回数や、部下の目標の設定と評価を期限までに終えたかどうかを管理職の目標に入れておくと、部門の成果だけでなく部下を育てるプロセスにも管理職の意識が向き、忙しい月でも部下のマネジメントが後回しになりにくくなります。上司と部下の間で役割や任せる権限があいまいなままだと、管理職が板挟みになって目標の話し合いそのものが進まなくなるので、その場合は中間管理職が板挟みになる会社の共通点で書いた、役割と権限の決め方から先に整えます。
- 部署の四半期のKPIの達成率
- 部下全員との月1回の1対1の面談の実施
- 部下の目標の設定と評価を、決めた期限までに終えること
- 次のリーダー候補を1人決め、任せる仕事を増やしていくこと
書いた目標は毎週の週報で記録し、月1回の面談で直します
目標を決めたあとは、部下が毎週の週報に数字と行動を記録し、上司がコメントを返し、月1回の1対1の面談で目標とのずれを直す流れにします。期の初めに書いた目標を期末まで見返さないと、ずれに気づいたときには手を打つ時間が残っておらず、評価面談が届かなかった理由を聞くだけの場になってしまいます。週報で毎週数字を見ていれば、ずれが小さいうちに上司がサポートに入れるケースが増えます。
Bay3の週報・週次ミーティングのフォーマットでは、部下1人につき1週間を1行で書き、KPIの目標値と実績、達成の割合に加えて、その週に実行したことと翌週の予定、リーダーからのフィードバックを並べます。部下が金曜の夕方までに記入してリーダーがコメントを返し、月曜の朝に開く15分の会議では目標に届いていない数字にだけ時間を使う、という1週間の流れにしておくと、上司は部下の進捗を毎週把握でき、目標が自然に話題に上ります。
- 期の初め:面談で目標を合意し、評価シートに書き写す
- 毎週:部下が週報に数字と行動を入力し、上司がコメントを返す
- 月1回:1対1の面談で、ずれの原因と来月の行動を決める
- 四半期の終わり:部下の自己評価と上司の評価を持ち寄り、評価面談で成果と行動を振り返る
- 次の期:振り返りをもとに、次の期の目標を書き直す
図3 目標を書いてから振り返るまでの流れ
月1回の面談では、数字の確認より次の行動を決める時間を長く取ります
週報で数字は毎週見えているので、月1回の1対1の面談では数字を読み上げる時間を短くし、届いていない目標について原因と来月の行動を決めることに時間を使います。部下が話しやすいよう、上司はまず先月の行動のうち成功したことと続けたいことを聞き、そのあとで変えたいことを聞く順番にすると、面談が叱責の場になりにくくなります。決めた行動は「誰が・何を・いつまでに」の形で面談のメモに残し、翌月の面談はその行動をやれたかどうかから始めます。面談で話すテーマや質問の例は1on1で話すことに、評価面談との分け方とあわせてまとめています。
期の途中で目標を変えるときは、変えた日と理由を残します
担当の変更や大きな取引先の離脱のように、本人の力ではどうにもならない理由で前提が変わったときは、期の途中でも目標を見直してかまいません。その際は変えた日、変えた内容、変えた理由を評価シートの余白や面談のメモに残しておくと、期末の評価で「最初の目標と違う」という食い違いが起きず、ほかの部下との公平さも説明できます。3か年経営計画・年度計画テンプレートで計画を変えたときに変更日・内容・理由を残すよう案内しているのと同じ考え方で、記録が翌年の目標づくりの材料にもなります。
評価に使う目標は、期の初めに点数の基準まで決めます
目標を人事評価にそのまま使う場合は、目標どおりなら何点、上回ったら何点という点数の基準を、期の初めに目標と一緒に部下へ渡しておきます。期末になってから基準を示すと、同じ実績でも上司によって点数が分かれ、本人の納得感が下がるからです。評価制度をまだ整えていない会社なら、はじめのうちは給与と切り離して点数を付けるだけにし、上司どうしの付け方がそろったところで給与に反映させる順番でも遅くはありません。人数が増えて評価シートの回収や集計が重くなってきたら人事評価システムの活用も選択肢になりますが、項目と基準が固まるまではExcelで十分です。評価項目と点数の基準の書き方は評価シートのテンプレートと書き方、制度全体の考え方は人事評価制度とはにまとめています。
三浦がかつて支援に入った先に人材紹介の会社があり、そこでは管理職向けの研修と、KPIを毎週見る会議の立ち上げを並行して進めました。会議が数字をもとに動くようになってからは現場が自分たちで改善を回し始め、売上はおよそ3倍に伸びたと聞いています。この伸びには市場の動きや、会社が支援と並行して進めた施策の効果も重なっています。
Bay3が支援に入るときも、部下の目標を書く前に会社の3年計画と四半期のKPIを決め、それを部署と個人に下ろし、週報と会議で追いかけ、評価と給与につなげるところまでを順番に整えています。管理職の育成と目標の運用をまとめて見直したい場合は、Bay3の支援内容と、管理職の育成方法もあわせてご覧ください。
部下の目標設定でよくある質問
部下が自分で目標を書けないときは、どう進めればよいですか。
最初の期は、上司が会社と部署の目標から下ろした数字と、期待する役割を先に伝え、そのうえで「そのために毎週何をするか」の行動目標だけを部下に考えてもらう形にすると進めやすくなります。成果目標まで白紙から書かせると、多くの部下は何を基準にすればよいか分からず手が止まります。2期目からは前期の振り返りをもとに、成果目標の案も本人から出してもらいます。
上司と部下で、目標の高さの考えが合わないときはどうすればよいですか。
前期の実績と、会社がこの期に部署へ求めている数字の2つを並べて見せ、その間のどこに置くかを話し合います。上司の希望だけで高い目標を決めると本人の意欲が下がり、本人の希望だけで決めると部署の目標に届きません。どうしても差が埋まらないときは、期の途中に中間の目標を置き、達成の状況を見て後半の目標を決め直す形にします。
目標設定の面談には、どのくらいの時間をかければよいですか。
上司が事前に会社と部署の目標、期待する役割、前期の実績を整理しておけば、1人あたり30〜60分で目標の合意まで進められます。面談の場で一から考え始めると時間が足りなくなるので、部下にも前期の振り返りと今期やりたいことを事前にメモしてきてもらうと、話し合いの中身が濃くなります。
会社の目標の下ろし方、職種ごとの目標の書き方、週報と面談での追いかけ方を、三浦が直接うかがいながら整理します。相談はZoomを使ったオンラインで、時間は60分です。評価制度がまだ無い段階でも、何から決めればよいかの順番をお伝えできます。
無料相談を申し込むBay3の支援内容をもとに構成し、編集部が作成しています。