最終更新日:2026年10月30日 | 執筆:Bay3株式会社 代表取締役 三浦一晃
生成AIの社内ルールは、目的と対象者、使うツール、入れない情報、使ってよい業務、出力の点検、トラブルの報告先、見直しの時期の7つを決めれば運用を始められ、量はA4一枚に収まります。社員が10〜100名程度の規模なら、分厚い規程を作り込むより、社員がChatGPTなどの画面を開くたびに「これは入れてよいか」を自分で判断できる線を先に引くほうが、守られるルールになります。いちばん先に決めるのは入力してはいけない情報です。顧客の氏名や電話番号、取引先から預かった資料、パスワードはどのツールにも入れない、と書いておけば、大きな事故の入口を最初にふさげます。
「議事録はAIでまとめていいよ」と社長が口頭で許したとき、社員が受け取るのは「使ってよい」という許可だけです。商談のメモに顧客の名前が入っていたら貼り付けてよいのか、無料版の個人のアカウントでもよいのか、出てきた文章をそのまま取引先に送ってよいのかは、社員がその場で決めることになります。社内ルールはこの「その場の判断」を減らすためのもので、禁止の事項ばかり並べると、会社に隠れて使う社員や、まったく使わなくなる社員が出てきます。どちらも会社にとっては損なので、ルールは「ここまでは使ってよい」が先に読める形で作ります。
どの仕事でAIを使ってよいかを自社に当てはめて決めるなら、生成AI 業務の棚卸しシート(Excel・無料)が役に立ちます。業務ごとの時間と減らせる見込みを入れていくと、どの仕事から使い始めるかが順位で並びます。後半の表4は、このシートの列に沿って作った例です。
- 社員がいま使っている生成AIのツールと、そのアカウントが会社のものか個人のものか
- 取引先と結んでいる秘密保持契約のうち、預かった情報の扱いに条件があるもの
- 部署ごとの定期的な業務の一覧と、1回にかかるおおよその時間
- 就業規則と、情報の取り扱いに関する既存の社内規程
社内ルールが無いと、社員ごとに使い方が割れて情報漏洩の入口が残ります
社内ルールが無い会社では、何を入力してよいか、出てきた文章をそのまま使ってよいかを、社員一人ひとりが自分の感覚で決めています。感覚は人によって違うので、慎重な社員はまったく使わず、気にしない社員は顧客の情報まで入れてしまい、同じ会社の中で使い方が大きく割れます。生成AIを業務で使うときに起きる問題はおおむね4つに分けられ、それぞれルールで何を決めれば防げるかを並べると表1のようになります。会社が把握していない使い方が増えてから手を打つより、使い始める段階で線を引いておくほうが、社員も安心して活用できます。
| リスク | 起きること | ルールで決めること |
|---|---|---|
| 情報の漏洩 | 顧客の氏名や取引先の機密を入力し、サービスの提供元に保存されたり、AIの学習に使われたりする | 入力禁止の情報と、入力内容を学習に回さない設定 |
| 誤った回答(ハルシネーション) | 事実と違う数字や存在しない制度を、もっともらしい文章で出力する | 社外に出す前に、担当者が事実と数字を元の資料と照らし合わせること |
| 著作権などの侵害 | 生成した文章や画像が、既存の作品やロゴとよく似てしまう | 画像や広告の文章を使う前の確認と、承認する人 |
| 会社が知らない利用 | 社員が個人のアカウントや無料版で業務に使い、何が入力されたか誰も追えない | 会社が認めるツールとアカウント |
表1 生成AIを業務で使うときの4つのリスクと、ルールで決めること
表1の4つのうち、中小企業で見落とされやすいのが最後の「会社が知らない利用」です。大きな企業には情報システムの担当部署があり、使えるツールを技術で制限できますが、専門の部署を持たない中小企業では、社員のスマートフォンやパソコンで何が使われているかを会社が把握しきれていないことが多いからです。たとえば営業の社員が、移動中に自分のスマートフォンのアプリへ音声で話しかけて商談の記録を作っていても、会社にはそれを知る手段がありません。禁止だけで抑えようとしても、見えないところで使われ続ける危険は残ります。会社が認めるツールを先に用意し、「それ以外は業務で使わない」と決めるほうが現実的な対策です。
「当社は、議事録や文章の下書きにかかる時間を減らし、その時間を顧客との対話にあてるために生成AIを使います。安全に使うための決まりとして、以下を定めます。」のように、何のために使うのかを一文で書いてから決まりを並べます。目的が先に書いてあると、ルールに書かれていないケースに出会ったときも、社員は目的に照らして判断できます。
社内ルールに書く項目は7つで、中小企業ならA4一枚に収まります
中小企業の社内ルールに最低限必要なのは、目的と対象者、使うツール、入れない情報、使ってよい業務、出力の確認、トラブルの報告、見直しの7項目です。ひな形の中には10項目を超えるものもありますが、項目を増やすほど文書は長くなり、社員が中身を読まずに同意だけする状態に近づきます。最初の版は1項目につき2〜3行で書いてA4一枚に収め、全員に配ると、読んだかどうかを朝礼や会議の場で聞いて回れる量になります。7つの項目と、それぞれに書く中身の具体的な例を表2にまとめました。
| 項目 | 書くこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 1 目的と対象者 | 何のために使うか、誰に適用するか | 正社員・パート・派遣を含め、業務で使うすべての従業員が対象 |
| 2 使うツールとアカウント | 会社が認めるサービスと契約の形 | 会社が契約した法人向けのプランだけを使う。個人のアカウントは業務に使用しない |
| 3 入力禁止の情報 | 入れない情報と、条件付きで入れてよい情報 | 顧客の氏名・電話番号・住所、パスワード、取引先から預かった資料は入れない |
| 4 使ってよい業務 | 使ってよい業務と、使わない業務 | 社内の議事録とメールの下書きは可。採用の合否や人事評価の判断には使わない |
| 5 出力の確認 | 誰が何を点検してから使うか | 社外に出す文章は、担当者が数字と固有名詞を見直し、上司が承認する |
| 6 トラブルの報告 | 起きたときの報告先と期限 | 入力禁止の情報を入れたら、その日のうちに総務の担当へ報告する |
| 7 見直し | 誰がいつ見直すか | 総務の担当が半年ごとに見直し、経営者が承認する |
表2 生成AIの社内ルールに書く7つの項目と書き方の例
表2の4番目で「人事評価の判断には使わない」と書いたのは、生成AIの回答はどんな根拠でその結論になったのかを示さないことがあり、社員の処遇に関わる決定の理由を本人に説明できなくなるからです。採用の合否や評価のように人の処遇を決める場面では、AIに文章を整えさせることはあっても、判断そのものは上司と経営者が行う、と線を引いておくと社員の納得を損ないません。契約書や就業規則のように法律が関わる文書も同じで、AIが作成した下書きは専門家に見てもらう前提で使います。7項目のどれを細かく書くかは事業によって違い、顧客の個人情報を多く扱う会社なら3番目を、広告や販促物を多く作る会社なら5番目を厚くします。
- 1項目は2〜3行:細かい場面の例は、別紙の「よくある質問」に回して本文を短く保つ
- 「原則」と「例外」を分ける:例外を認めるときは、誰の承認が要るかまで書く
- 版の番号と日付を入れる:見直しで内容を修正したとき、どの版が最新かが社員に分かる
入力禁止の情報は、3つの段階に分けて例を書くと社員が判断できます
入力の判断は「入れない」「名前を伏せれば入れてよい」「入れてよい」の3段階に分け、それぞれに自社の仕事で出てくる情報の例を書いておくと、社員が画面の前で迷わずに済みます。「機密情報は入力しない」とだけ書くと、何が機密に当たるかを社員が決めることになり、人によって範囲が変わるからです。たとえば見積書の金額は、営業の社員には「いつも送っている数字」でも、経営者から見れば取引先との契約に関わる社外秘の情報です。3段階の分け方と例を表3に並べます。
| 段階 | 対象の情報 | 例 |
|---|---|---|
| 入れない | 個人を特定できる情報、秘密を守る約束がある情報、ログインの情報 | 顧客と社員の氏名・電話番号・住所、マイナンバー、取引先から預かった図面や資料、パスワード |
| 名前を伏せれば入れてよい | 社内の文書で、名前と数字を伏せれば誰の話か分からないもの | 会議のメモ(社名と人名を「A社」「担当者」に置き換える)、社内向けの手順書 |
| 入れてよい | すでに公開している情報、一般的な文章 | 自社のホームページに載せている内容、公開済みの製品の説明、メールの言い回し |
表3 入力する情報の3つの段階と例
表3の「入れない」に社員の氏名まで入れたのは、評価や面談の記録に生成AIを使いたくなる場面が、人事の仕事では多いからです。面談のメモを要約させれば時間は減りますが、社員の名前と評価の中身が一緒に入力されれば、それは個人情報そのものになります。真ん中の段階を作っておくと、社員は名前を「Aさん」に置き換えてから要約させる使い方を選べるので、禁止しながらも使える道が残ります。どこまで伏せれば足りるかは業種によって違うため、最初の版では段階ごとに例を3つずつ書き、社員から迷う例が上がるたびに表へ足していきます。
個人情報を入れる場合は、学習に使われない設定と契約かを先に調べます
個人情報保護委員会は2023年6月に生成AIサービスの利用について注意を呼びかけ、個人情報を含む指示を入力するときは利用目的の範囲内かを十分に確認するよう求めました。あわせて、本人の同意なく入力した個人データが回答の出力以外の目的で扱われると、個人情報保護法に違反する可能性があるとして、提供元がそのデータを機械学習に使わないことの確認を求めています。多くのサービスでは、入力した内容を学習に使うかどうかが設定や契約の種類で変わるので、会社で使うツールを決める段階で、この点を最初に確認しておきます。
- 入力した内容をサービスの改善や学習に使わない設定になっているか。初期の設定で使われる場合は、管理者が止められるか
- 入力の履歴(ログ)をどれだけの期間保存し、管理者が見たり削除したりできるか
- 社員のアカウントを会社が発行・停止でき、退職した人のアカウントをすぐ止められるか
無料版は手軽に試せますが、多くは個人向けの契約で、会社がアカウントや履歴を管理する仕組みがありません。業務で使うツールは、この3つをセキュリティの担当か総務の担当が見比べてから決めます。
使ってよい業務は、業務の棚卸しで時間の多い仕事から選ぶと効果が出ます
使ってよい業務は、部署ごとの定期的な業務を書き出し、月にかかる時間と生成AIで減らせる見込みを掛け合わせて、順位の高い3つから決めます。「何に使ってもよい」とすると、社員は使い道を探すところで止まってしまいます。「この業務で使う」と決めておけば、使い方を部署の中で教え合えます。冒頭で紹介したシートでは、1回あたりの分数と月の回数から月の時間が出ます。そこで大・中・小・なしの見込みを選ぶと、減らせる時間と優先度まで自動で計算されます。見込みの割合は大60%・中35%・小10%が初期値で、優先度は減らせる時間を始めやすさの1〜3(1が最も始めやすい)で割って出します。この計算に表3の情報の段階を1列足し、説明のために作った架空の会社で並べたのが表4です。
| 業務 | 月の時間 | 見込み | 減らせる時間 | 始めやすさ | 優先度 | 情報の段階 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 週1回の定例会議の議事録を整える | 40分×4回=160分 | 大 | 96分 | 1 | 96 | 伏せれば可 |
| 問い合わせメールへの返信 | 10分×50回=500分 | 中 | 175分 | 2 | 88 | 伏せれば可 |
| 社員の評価面談の記録の要約 | 30分×10回=300分 | 大 | 180分 | 3 | 60 | 入れない(使わない) |
| 新製品のチラシの文章の下書き | 120分×2回=240分 | 中 | 84分 | 2 | 42 | 可 |
表4 架空の会社で作った棚卸しの例(分数と回数は説明用の数字。割合はBay3の書式の初期値)
表4では、問い合わせメールの返信は月の時間がいちばん多い一方で、顧客の名前や注文の中身が入るので、返信の型だけを生成AIで作り、個別の返信には固有名詞を入れない使い方になります。評価面談の記録は減らせる時間が大きくても、表3で「入れない」に当たる社員の情報が中心なので、ルールの上では使わない業務に入れます。棚卸しの順位とルールの段階を1枚の表で見比べておくと、効率だけで選んだ業務が情報の扱いでつまずく、という事態を前もって避けられます。情報の段階で使わない業務を外し、残りの上位3つを1か月試して減った時間を記録してから一覧に加えれば、社員に「なぜこの業務なのか」を数字で示せます。
- 部署ごとに業務を書き出す:「見積書を送るメールを書く」のように、誰が読んでも同じ作業が浮かぶ細かさで、定期的な業務を並べます。
- 時間と見込みを入れる:その業務をふだん受け持っている人が、かかる分数と回数、AIでどこまで短くなりそうかを書き込みます。
- 情報の段階を当てはめる:表3を見て、業務ごとに入力する情報が3段階のどこに入るかを書きます。
- 使わない業務を外し、上位3つを1か月試す:減った時間と困ったことを記録し、使ってよい業務の一覧に反映します。
図1 使ってよい業務を決める4つのステップ
業務を書き出す作業は、生成AIのためだけでなく、誰がどの仕事をどれだけ抱えているかを見える状態にする意味もあります。特定の社員しか手順を知らない業務が見つかったら、AIに任せる前に手順を文書にしておくと、担当が休んだときにも仕事が止まりません。書き出し方の細かい手順は業務の棚卸しのやり方で、1人に集まった仕事のほどき方は属人化の解消方法の記事で紹介しています。
生成AIの出力は、社外に出す前に担当者が事実と数字と固有名詞を点検します
生成AIが作った文章や画像は、使った担当者が事実・数字・固有名詞の3点を点検してから使い、社外に出すものは上司が承認する、と決めておきます。生成AIは、実在しない制度や間違った数字を、正しい情報と同じ自然な文章で回答することがあり、この現象はハルシネーションと呼ばれています。たとえば補助金の申請期限や法律の改正日をAIに質問して、その答えをそのまま顧客向けの案内に書けば、間違っていたときに責任を負うのはAIを使った会社です。見る点を担当者と上司で分けておくと、どこまで見ればよいかが人によってぶれません。
- 社内の議事録やメモの整理
- メールの言い回しの言い換え
- 企画のアイデアの書き出し
- 顧客向けの案内や見積もりに添える文章
- ホームページや広告の文章と画像
- 数字・法律・制度に触れる文書
図2 担当者の確認で使ってよい出力と、上司の承認が要る出力
著作権については、文化審議会の著作権分科会(法制度小委員会)が2024年3月に「AIと著作権に関する考え方について」をとりまとめました。AIで作ったものを利用する段階では、人が作ったものと同じく、既存の作品との類似性と依拠性で侵害かどうかを判断する考え方が示されています。社員が特定の作品やキャラクターの名前を指示に入れて画像を作れば、似たものが出てくる可能性は高くなるので、広告や販促物に使う画像は、指示の文章も含めて承認する人が見ます。ルールに「他社の商品名や作品名、実在する人の名前を指示に入れて画像や文章を作らない」と書いておくと、確認する側の手間も減ります。社外に出す前の確認は、次の4つを担当者が順にチェックする形にしておきます。
- 数字と日付を、元の資料か公的な発表と照らし合わせた
- 社名・人名・製品名が正しく、他社の商品名が混ざっていない
- 法律や制度に触れる部分を、専門家か元の条文で検証した
- 画像や文章が、既存の作品やロゴに似ていない
ルールは試用期間を置いて小さく始め、半年ごとの見直しで最新の状態に保ちます
社内ルールは、作って直す役の担当者(ここでは「ルールの持ち主」と呼びます)が1か月の試用をもとに正式な版を作り、周知と研修のあと半年ごとに見直します。生成AIのサービスは技術の進化が速く、機能や料金、データの扱いの条件が短い期間で変わるので、一度決めた内容が正しいまま何年も続くことはほとんどないからです。音声で話しかける機能や、社内のファイルを読み込ませる機能が追加されれば、表3で入れないと決めた情報が外部に出る新しい入口ができます。ルールの策定から定着までの流れを図3にまとめました。
図3 生成AIの社内ルールの導入から見直しまでの流れ
周知の場では、文書を配ったあと、表3の例を使って「この情報は入れてよいか」を社員に答えてもらう時間を取ると、読んだつもりで理解していない部分が見つかります。研修は年1回の全社研修に加え、新しく入社した社員には入社時の説明に組み込んでおくと、パートや派遣の社員まで同じ基準で使えます。トラブルが発生したときの報告は、入力禁止の情報を入れてしまった場合も、間違った回答を社外に出してしまった場合も、「気づいた日のうちに担当へ報告し、担当が経営者に伝える」という1本のフローにまとめます。報告した社員を責めない、と最初に書いておけば隠す理由がなくなり、集まった報告は、どの項目の書き方が足りないかを示す見直しの材料になります。
情報システムの担当がいない会社は、ルールの持ち主を組織図に1人書きます
人事や情報システムの専任がいない会社では、社内の決まりごとを作って直す役目が、結局は社長1人の机の上に積まれていきます。生成AIのルールも同じで、持ち主が決まっていないと質問は全部社長に集まり、見直しは誰も手をつけないまま半年が過ぎてしまいます。総務か管理部門から1人、ルールの持ち主を決めます。迷ったときの相談先、トラブルの報告先、見直しの担当をその人に集めて組織図に名前を書いておけば、社員は聞く相手で迷いません。経営者は担当者が出してきた改定の案を承認する役に回り、何をなぜ変えたかの記録を残しておくと、次の見直しや社員への説明に使えます。役割を表にまとめる方法は組織図と役割分担表の作り方を参考にしてください。
部署・業務・1回の時間・月の回数・減らせる見込みを入れると、減らせる時間と優先度、始める順番が自動で出ます。シートには、個人情報や社外秘を入れてよいかをサービスの設定と社内ルールで先に確かめること、生成AIの文章や数字は担当者が点検してから使うことも書いてあり、表2の3番目と5番目を書く下敷きになります。
シートを受け取るこれまでに三浦が組織づくりを手伝った歯科医院の1つでは、院内のルールを文書にまとめたうえで、組織図をつくり、役職ごとに受け持つ役割と、追いかける数字を決めました。生成AIのルールを作った事例ではありませんが、ルールを文書にする作業と、組織図で役職ごとの役割を決める作業を同じ時期に進めました。上のH3で書いた「ルールの持ち主を組織図に書く」も、この組み合わせを生成AIのルールに当てはめたものです。
生成AIを使って事務作業を減らす具体的な使い方と、社内研修の進め方は中小企業のAI活用入門にまとめています。Bay3が業務の棚卸しからルールづくり、社内での定着までを一緒に進める支援の内容は、サービス紹介の生成AI活用の項目で読めます。
ルールを作る法律上の義務は無く、懲戒に使うなら就業規則への定めが要ります
生成AIの社内ルールは、法律で作ることが決められていますか。
生成AIの社内ルールそのものを作るよう会社に義務づけた法律はありません。ただし、入力や出力の中身には個人情報保護法や著作権法、取引先との秘密保持契約が関係するので、ルールが無いまま使うと、こうした決まりに反する使い方を会社が止められません。経済産業省と総務省がまとめた「AI事業者ガイドライン」は、AIを業務で使う事業者も対象に含めており、日本で社内の決まりを考えるときの参考になります。
ルールに違反した社員を懲戒できますか。
懲戒の処分をするには、就業規則に懲戒の種類と、どんな行為が懲戒に当たるかを定め、社員に周知しておく必要があります。生成AIのルールを懲戒の根拠にしたいなら、服務規律にルールを守る義務を書き、ルールの文書を就業規則に付属する規程として位置づけます。常時10人以上を雇う会社では、就業規則を変えたら労働基準監督署への届出も要ります。最初の違反は注意と指導にとどめ、くり返した場合や情報の漏洩につながった場合に懲戒を検討する、という順番を決めておくと、社員が報告をためらわずに済みます。就業規則を変えるときは、社会保険労務士に相談すると安全です。
社員が10人に満たない会社でも、ルールは必要ですか。
人数が少なくても顧客の情報を扱う限り、入れない情報と使うツールの2つは文書にしておくと安心です。少人数の会社では社長と社員の距離が近く、口頭で伝えて済ませがちですが、新しい人が入ったときやパートの社員が増えたときに、基準が伝わらなくなるからです。項目は表2の7つを1項目1行で書くところから始めれば、最初の版はその日のうちに作れます。
今の業務の一覧と、社員が使っているツールをうかがいながら、どの業務から使い始めるか、入れない情報をどう分けるか、ルールの持ち主を誰にするかを、三浦が一緒に整理します。相談はZoomを使ったオンラインで、全国どこからでも60分お受けしています。まだ生成AIを使っていない会社でも、始める順番からお伝えできます。
無料相談を申し込むBay3の支援内容をもとに構成し、編集部が作成しています。
出典・参考:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」/文化庁「AIと著作権について」(文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」)/経済産業省「AI事業者ガイドライン検討会」